盛夏を感じさせるほどの気温の中、雨を恋しがっているかのような佇まいで咲き誇る紫陽花の花が随所にて散見されます。

 

 

 鮮やかな色合いのものは雨の日の雫が映え、淡い色合いのものは蒸し暑い日の涼として視覚的に働きかける気がしてなりません。

 

 私には日本に留学経験のある台湾人の知人が大勢いるのですが、移ろいゆく日本の四季のおかげで繊細で美しい植物を日々目にすることができることは、彼らによると毎日が感動の連続だそうです。

 私自身、何度も台湾へ旅行に赴きましたが、台北市植物園を除いては、首都台北市内から車で約1時間ほど離れた陽明山まで足を運ばなければほとんど花を咲かせた植物にお目にかかることができませんでした。

 日本国内の各都市の道路沿いの花壇に慎ましくではあれど花が植えられている様子を見た彼らは、「日本人は『周りにある美しいもの』を大事にする」と口々に言っていたのが印象的です。

 

 もしかすると、世界各国から見ると潔癖なほどに一つ一つの物を丁寧に取り扱う習慣が身に付いているのも、日本人に自然の美しさを愛でる習慣が根付いている事と関連しているのかもしれません。

 強迫的なほど潔癖にならないよう、私も新しいPCの周辺機器を丁寧に取り扱いたいと思います。

 

 

 【本日のピアノへの取り組みについて】

 

 ・バッハ インヴェンション全15曲

 ・バッハ シンフォニア第11番 ト短調

 ・ダカン かっこう ホ短調

 (ここまで各1~2回ずつ通しただけ)

 

 ・ショパン エチュードOp.10-4 嬰ハ短調

 ・シューベルト 即興曲Op.90-2 変ホ長調

 ・その他(スケール・アルペジオ・半音階)

 

 

 以前、ショパン スケルツォ第1番の練習について綴っていたのですが、音抜け改善のため、少し寄り道してシューベルト 即興曲Op.90-2の練習記録を記載します。

 

 まず、第1小節~第82小節の変ホ長調の部分についてですが、このパートは全て暗譜しているので、この82小節間の中で音抜け音がかすったような状態が発生する原因について音楽が頭の中に入っていると云う事を前提として考えたいと思います。

 

 

 上記添付画像の水色のマーカーを付けた部分音抜けが発生しやすい箇所に該当します。

 ピンク色のマーカーを付けた部分については保持音です。

 

 傾向として、該当音は白鍵で、直後の音は下行の黒鍵であることがうかがえます。

 この楽曲に限らず、黒鍵よりも白鍵の方が打鍵が上手くいかないことが多く、この原因についてしばし考えてきました。

 

 下記添付画像は第44節小節以降の部分なのですが、(直前が白鍵1→黒鍵4の下行→)右3で黒鍵→右5で白鍵→右4,3で黒鍵と進む時の右5の白鍵について、音量が小さすぎるなど、私自身の理想としている音色を出せないことが非常に多く、予てより気に懸けていました。

 

 

 この情報だけで判断すると、下行した後の上行の右5の白鍵の打鍵に問題があるのか、その他に問題が有るのか解りませんが、保持音の連続を終えて一度安堵していると云う精神的な問題も関与していると考えています。

 結局のところ、一定時間集中力を保つ事について毎回困難を感じているので、最後まで気を抜かない事が肝要となります。

 

 上記音形に於ける右5白鍵の打鍵問題について、私の手は薬指や中指の長さを考慮した上で小指が短い造りになっているので、肘の動かし方を改善することにより大幅な改善が見られるのではないかと考えています。

 こう考えている根拠として、他の楽曲に於いて、左5のバスの音が抜けやすかった時、腕の使い方、とりわけ肘の角度に注力したところ、症状の改善がみられたことが挙げられます。

 

 今回、この楽曲を例に取り上げた理由として、ショパン スケルツォ第1番のロ短調の速いパッセージ部分に於いて、インテンポで打鍵してみると右5の音抜けが著明にみられ、その改善策を考えるために音抜けが起こる原因を追究することが必須で、音の数が比較的少ない楽曲として選択したことが挙げられます。

 シューベルトの神々しい大傑作をこのような方法で用いるのは大変恐縮ではありますが、この楽曲についても並行して細々と練習していく予定です。