先日、植物園を散策していた時に観たジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)が見事な花を咲かせていました。
どことなく西洋の貴婦人が被る帽子を連想してしまいます。
色合い自体は和服にも存在しそうな印象を受けるのですが、形状から欧州での交配を連想する、不思議な品種です。
陸地に生息し、一株に一輪とは限らず、何輪もの花を咲かせています。
ところで、今私が通っている美容院の担当美容師の方にかれこれ10年間以上担当して頂いているのですが、この美容師の方が独立して開業する前の勤務美容師時代からのお付き合いです。
独立開業した当初は、シャンプーは勿論、会計から備品の発注作業まで雑務を全て一人でこなしていらっしゃったので、彼曰く、最初の3ヶ月間はほとんど寝る暇もないほど忙しく、同業者から聞いてはいたものの、自分の店を持つ事がここまで大変だとは思わず、体力的に限界だったとの事でした。
アシスタントスタッフを雇ってからは、少しゆとりが出てきたらしいですが、それでもFacebookやインスタグラムなどの広告を打って新規顧客を増やす事は考えていないとの事で、その理由として、誰でも構わないから来てほしいなどとは思わない、常連客を大切にしたい、との旨、仰っていました。
インスタグラムを作る余裕がないと思いつつ経営を続けていたら、店舗経営に際してインスタグラムが必要ない事に気付き、そのままインスタグラム無しでやっていく予定だとの事です。
以前の勤務美容師時代の勤務店舗は、炭酸スパが特徴的で、ヘアセット後に女性のメイク係のスタッフの方がメイク直しをしてくださっていました。
独立開業してからは、メイク係を置かずにメイク直しサービスを廃止し、ヘア(エクステを除く)のみのサービスを提供する方針を貫いています。
お話を伺っていると、今はエクステの専門店も在るらしく、エクステに強い(正確に言えば、サービス内容のほとんどはエクステ)美容院、縮毛矯正専門店など、美容院にも得意・不得意分野があるようです。
私自身は、客として美容院へ行った時、美容師含めお店の方々と揉め事を起こした事は全く無いのですが、誰でも構わないから来店してほしいというスタンスを取ると、気に入らない事があると店内で物を投げつけたり、夜間不法侵入しようとしたりするモンスターも招いてしまい、警察に通報したり、後日賠償請求書を送ったりと、処理が大変になる場合もあるとの事です。
勿論、このようなモンスターは500人に1人居るか居ないかといった割合なのだと思いますが、誰か信頼の於ける人からの紹介でもない、誰でも閲覧できる広告を見てコンタクトを取ってくる人の中には、モンスターも紛れている可能性を常に考慮する必要が有る時代になったようです。
昔も、不特定多数を対象とした経営者は不審人物に警戒していたのだと思いますが、今はその判別に際し従来の常識が通用しなくなり、特に何事もなく経営し続けるだけで気を遣う時代になったのかもしれません。
働く場合であっても、客としてサービスを利用する場合であっても、どこかに所属しているとそれだけで組織に守られ、安全性が保障されている気がするので、雇われて働く事は非常に楽だと昔から考えていた私は、10代の頃から一生誰かに雇われ続けて生きていこうと心に決めていました。
百貨店などに入っている店舗の常連客になる事も楽をする事の一環です。
販売してある物の品質は勿論、働く人が交替しても或る一定の水準のサービスを受けられますから、個人販売店を一店見付けるよりも、購入する方としては楽なのです。
よく、専業主婦は夫に養ってもらって楽をして過ごしていると云う意見を見かけますが、私から見れば大企業に雇われて生計を立てている人も専業主婦も誰かを頼りにして生活していると云う点に於いては大差ありません。
寧ろ、働く気がなく、労働時間だけを無為に過ごすのであれば、退職して自宅で家事をしていた方が世の中のためでもあり、家庭のためでもあると私は思います。
【本日のピアノへの取り組みについて】
・バッハ インヴェンション全15曲
・バッハ シンフォニア第11番 ト短調
(ここまで各1~2回ずつ通しただけ)
・ショパン ノクターン第5番 Op.15-2 嬰ヘ長調
・ショパン ワルツ第6番 Op.64-1(小犬のワルツ) 変ニ長調
・ショパン エチュードOp.10-4 嬰ハ短調
・ドビュッシー アラベスク第1番 ホ長調
・その他(スケール・アルペジオ・半音階)
昔習った曲であればどの曲であっても構わないとは思いませんが、ショパン ワルツ第6番 Op.64-1(子犬のワルツ)を少しやり直しました。
意外に左手が跳躍するので、右手のスピードに左手が付いていかない事もあり、少し落ち着いて練習。
そしてドビュッシー アラベスク第1番について。
ベートーヴェンの月光第一楽章や、ショパン エチュードOp.10-3(別れの曲)と同様の声部弾き分けが試される部分が有り、聴いた印象よりも、美しく奏でる事が意外に難しい箇所でもあります。
或る意味適当にショパン エチュードOp.10-4を「弾いてみる」方が楽かもしれません。
生きる事に関して、楽をする事について考えていた私が、楽をする事ができないピアノを趣味としているのは矛盾している話かもしれませんが、楽しみの質としては非常に高いので満足しています。