先日、紅葉が鮮やかに色づいた様子を見て、クリスマスの赤よりも柔らかく、「和」を感じ取りました。

 

 

 

 就活に於けるwebテスト代行を請け負った者が、私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで逮捕され、サッカーW杯に匹敵する話題となっています。 

 このような不正行為を請け負う人物は、弱者の救済をする事によりヒーローになった気分を味わう事webテストの在り方への問題提起が目的だったのではなく、或る種の試験マニア(課題達成マニア)で、何らかの試験を受けて及第点を取ること自体に快感を覚える嗜好の持ち主で、既に自分の「本番」が無くなってしまったが故、他人の名義を乗っ取ってでも「本番」を経験し、「結果」を通知してほしかったのではないかと予想していましたが、実は金銭目当てだったようで落胆しました。

 

 金銭は要らない、ステータスにも興味ない、「実力の確認」をしつつ実利を求めない嗜好の持ち主であるならば、社会へ影響を及ぼす形では行動を起こさないものです。

 このような心理を推測する事ができるのは、私のピアノへの取り組み方が、上述の嗜好と酷似しているからです。

 

 お金では買えないスキルを保有する事に対し、何ら実利を求めない事にこそ価値を見出すと云う概念です。

 故に、コンクールやグレードなどに挑む事は、私のピアノへの取り組み方の指針とは真逆なのです。

 更に、「他人から紹介された『人』に教わる」事をした時点でこの欲求が満たされないため、周囲のあらゆる「紹介」を遮断せざるを得ないのです。

 私が「習うとしたら、大衆に開かれている機関」と方針を定めているのもこの思考に由来します。

 

 この概念は、同じ嗜好の持ち主にしか理解し難いらしく、なかなか他人には信用すらして頂けません。

 「本当はどこかで披露して、YouTuberにでもなるのが目的なのではないですか?」

 「何か受賞する事を目的としているのですか?」

 などと、某教室のお問い合わせ時にも訊かれました。

 

 アメブロの中には、大数の問題を解き続けている方もいらっしゃるようですが、私も同様の事を行っていたのでその気持ちはよく解ります。

 「医学部再受験を狙っているんじゃないですか?」

 「塾でも開く予定ですか?」

 全くの見当違いなのですが、幾ら否定しても信じていただけない方には信じていただけなかったので、返答自体しなくなりました。

 周囲の誰も得をしないのですが、同時に、周囲の誰も損をしないのです。

 

 「趣味」とはそう云うものなのです。

 

 

 話が逸れましたが、不正行為経歴詐称について、私が遭遇したものの中で印象深い事が有ります。

 

 進路が決まった3月生まれの17歳の高校3年生が、アルバイト禁止の学校に通っていたにもかかわらず、履歴書の年齢及び未成年者就労にあたる保護者の同意書を詐称し、高卒18歳で推薦合格が決まり時間を持て余している浪人生として、高校3年生の12月から近所のコンビニでアルバイトを始めました。

 この高校生は、真面目な仕事ぶりが店長から認められ、試用期間を経て本採用へと至った時、本人確認書類の提出を求められた時に遂に店長に年齢詐称の件及び未成年者就労にあたる保護者の同意書の捏造をしてしまった旨を自白しました。

 

 労働基準法により、18歳未満の者を22時以降就業させる事が禁止されていた事もあり、通常は何らかの処分を受けると思いますが、店長は、人手不足と云う事情を抱えており、且つ、本人の仕事ぶりを見て「労働力として確保したい」と判断し、22時までの制限時間の中でこの高校生を雇い続けたのです。

 

 近所の住民も高校の担任教師もこの事実を知る事になりましたが、人手不足のコンビニで時給650円程度で働きたいと云う人材が、募集しても存在しなかったため、実質「奉仕」と称えられ、高校の担任教師も客として買い物に足を運ぶようになっていた程です。

 この高校生の両親も、子どもが自分でお小遣い稼ぎをして、携帯電話代を自分で払うようになり、家計が助かったと言っていました。

 

 他人を欺く行為でありながら、最終的には近隣の住民たちから感謝されていた、誰も損をしない結果となったのです。

 更に、この高校生が「同じ高校の18歳の友達」を紹介し、22時以降の人手不足も解消されました。

 

 私は、この状況を見て、詐称が必ずしも「悪」であるとは限らないと感じました。

 勿論、不法行為ですので、積極的にお勧めする訳ではないのですが、人に感謝される詐称が存在する以上、制度の変更の必要性を感じています。

 

 逮捕された京大院卒のwebテスト代行を請け負った者も、「webテスト必勝法教えます」と云うレクチャー形式で、「実力」を有償で与えれば何ら問題無かったのだと思います。

 

 

 

 【本日のピアノの練習について】

 

 ・ハノン 7~14番,24番,27番

 ・バッハ インベンション第1~15番

 ・バッハ シンフォニア第11番 ト短調(暗譜済)

  (※ここまでそれぞれ1~2回通しただけ)

 

 ・ショパン エチュードOp.10-4 嬰ハ短調(暗譜済)

 ・ショパン ノクターン第5番 Op.15-2 嬰ヘ長調(暗譜済)

 ・その他(スケール、アルペジオ、半音階、その他)

 

 気持ちを切り替えて早朝からショパン ノクターンOp.15-2の練習に精を出しました。

 本日は時間の関係上、エチュード Op.10-12(革命)には着手していません。

 

 ノクターンOp.15-2についてですが、やはり中間部の右手で打鍵するであろう部分(※第45小節以降に限る)に一部左手を使う方法に帰着しました。

 忍者になったような気分でこれが精神的に一番落ち着きます。

 

 やっと落ち着いてショパン ノクターンOp.15-2の練習ができるようになった所感から、やはり人目を意識する練習より独りで練習している事が楽しいと感じています。

 久々に左手だけをメトロノームに合わせて通す練習もしました。

 

 ピアノの練習に取り組んでいて毎回思うのですが、私は承認欲求が欠如しているがゆえ、他人から見ると「損をしている」とよく言われるのですが、そもそも「損」「得」の定義が人によるので、感じ方は人それぞれだと断言します。

 満足度の高い練習が出来て良かったです。