銀杏並木が美しい時期に差し掛かりました。
青空の様子があたかも絵具で彩られたかのような美しい色合いです。
黄金に輝く銀杏の葉と、澄んだ感じのする青空、そしてそれを照らす適度な太陽の光の加減が絶妙でした。
風景カレンダーの写真の中に入り込んだかのような気分に浸れる自然の恵みは、人工的に操作できるものではありません。
銀杏の葉の色付き具合、落ち葉の割合、そして、天候。
一年間のうち、見頃と呼べる期間はごく僅かで、この期間と天候をお金で買う事はできません。
人間の一生に与えられた時間と命も、人工的に操作する事については限界の有るかけがえのない貴重なものです。
10代の頃からしばしば考えていたのですが、何か物事をお断りする時、「お金(支払い能力)が無いから」と云う理由であればほとんどの人がすぐに納得するのに対し、「健康状態が優れない(物事を遂行するに充分な健康状態でない事を指す)から」と云う理由を述べた者に対しては非常に厳しい視線を向け、「薄情者」、「怠け」、「思いやりがない」などと暴言を吐く事が看過される風潮が蔓延っている事に非常に疑問を抱いていました。
一つの例として、遊びの誘いを受けた時、「健康状態が優れないから」と云う理由を述べると、実際には他の理由があるのではないかと勘繰る人が多く、相手が言葉の裏を読もうと躍起になり、結局コミュニケーションが成立しなかったと云う事がしばしば有ります。
私からすると、何故そのまま言葉通り信じないのか不思議でなりませんでした。
信じて頂けたとしても、「行ってみれば楽しいよ」などと云う、お断りする理由を解消できる性質のものではない内容の切り替えしトークで以て執拗に誘われ続ける事がしばしば有りました。
一方、「お金(支払い能力)が無いから」と言う人に対しては、仕方なく誘いを諦める人が多く、執拗に誘い続ける場合、「標的となった人の次のアルバイトの給料日の翌日に日程を変更して誘い直す」、「その人の費用は立て替える」など、お断りする理由を解消する内容で以て相手に歩み寄ろうとする傾向が見られました。
少なくとも、お金がない状態の人の事を「思いやりがない」などと見做す風習は無かったのです。
お金がない状態の人に対して、「消費者金融でも借りる手段があるにもかかわらず、一緒に遊びに行く費用を用意してこないのは、無礼だ」と判断を下す風潮は無いのに、健康状態が優れない人に対しては、「栄養ドリンクでも飲んでスタミナつければ行けるはず。気合が足りない。積極性がない」などと罵倒する事が許されるのはどのような思考回路に由来するのか、10代後半から非常に疑問を抱いていました。
10代や20代前半の年代では、支払い能力は実家の資産や教育方針にほぼ直結するため、お金がない状態の人は、「本人の責ではない生まれに因るもの」として解釈される傾向にあります。
健康状態が優れない人についても同様、産まれ持った体質だと解釈されて然るべきだと私は考えていたのですが、何故体質については本人の責であるかのように解釈されがちなのか不思議で仕方ありません。
どちらも「自らの意思に関係無く誘いを断らざるを得ない事情」を抱えている点に違いは無いと私は捉えていました。
誘いを断る以外の選択肢が無いと云う点に於いては、健常者として分類された中の健康状態が優れない人と、生活保護受給者ではないお金がない状態の人は、共通項が有ると思います。
人間に与えられた時間は有限で、お金を払えば10~20代の時間を取り戻せるという訳ではなく、上述のような言葉の裏を読もうと躍起になっていた人に真摯に向き合うのは自分に与えられた貴重な時間をドブに捨てているようなものだと云う認識を持っていたので、申告を信じない相手には対峙しないように昔から心掛けていました。
それにしても、今週は各地で紅葉が美しく映える気候となりそうで楽しみです。
現況、休日に遠出する余力が無いのが残念ですが、吸い込まれそうな空の雰囲気を味わうだけでも気分転換になります。
【本日のピアノの練習について】
・ハノン 8番、21~23番
・バッハ インベンション第1番 ハ長調(暗譜済)
・バッハ インベンション第2番 ハ短調(暗譜済)
・バッハ インベンション第3番 ニ長調(暗譜済)
・バッハ インベンション第9番 へ短調(暗譜済)
・バッハ インベンション第4番 ニ短調(暗譜済)
・バッハ インベンション第7番 ホ短調(暗譜済)
・バッハ インベンション第8番 ヘ長調(暗譜済)
・バッハ インベンション第12番 イ長調(暗譜済)
・バッハ インベンション第13番 イ短調(暗譜済)
・バッハ インベンション第11番 ト短調
・バッハ インベンション第10番 ト長調
・バッハ インベンション第14番 変ロ長調(暗譜済)
・バッハ インベンション第15番 ロ短調
・バッハ インベンション第6番 ホ長調
・バッハ シンフォニア第11番 ト短調(暗譜済)
(※ここまでそれぞれ1~2回通しただけ)
・ショパン エチュードOp.10-4 嬰ハ短調(暗譜済)
・ショパン エチュードOp.10-12(革命) ハ短調(暗譜済)
・ショパン ノクターン第5番 Op.15-2 嬰ヘ長調(暗譜済)
・その他(スケール、アルペジオ、半音階、その他)
つらつらと述べましたが、私はピアノを練習するだけの健康体に恵まれた事に非常に感謝しています。
季節の織り成す美しい自然の風景と同様、現在の環境をお金で代替する事はほぼ不可能だと思います。
バッハのインヴェンションを全15曲通して練習するのが日課だと昨日記載しましたが、バッハの楽曲自体、秋を連想させる作品が非常に多いように思います。
ブログの更新が滞っていた間、ドビュッシーの「アラベスク 第1番」を練習していたのですが、今の季節に合う雰囲気ではなく、練習を保留しています。
何事にも「旬」、「見頃」、「取り組むべき時」があるのではないかと最近思いつつあります。
誰にでも平等に与えられた1日24時間を有意義に使うべく、阻害因子からは脱兎の如く逃れて今まで生きてきました。
来年はうさぎ年と云う事で、兎をモチーフとした縁起物が様々なメーカーからノベルティとして紹介されています。
お正月商戦も今から予約しなければタイミングを逃してしまいます。
時は金なり。
(※黄色の網掛け表示が全体に施されていたので23:07編集→再投稿済)