厳しい寒さの中、何事も無かったかのように花を咲かせているジュリアンです。
バイオレットでも青紫でもない純粋なるパープルの発色が、絵の具の色をそのまま出したかのように感じられます。
先日、ピアノや各種試験勉強のブランクについて言及し、少し思い出した事が有るので再び記載します。
15歳(義務教育修了)までの時期に学んだ座学以外の事は、その後あまり触れていない場合であっても、身体が覚えている事が多いのに対し、15歳(義務教育修了)までの時期にブランクを作ってしまうと、身につけたものが消失していくのも、大人と比較すると遥かに急速であるように思います。
習い事としてピアノに取り組んでいた場合、小学校4年生や小学校卒業まで続けていても、中学校入学以降全く習っていない人は、中学2年生の時点で、学校の音楽の授業で扱う譜面の音符がほとんど読めず、音楽の定期試験でも全く習っていなかった人と知識面に於いてさほど変わらなかったため、結局、
「何か好きな曲が有っても譜読みすらできない」
「幼少期、親がピアノを買ってくれたが、家のスペースを占領しているだけ」
「学校の音楽の定期試験でも有利にならないので全く実用性が無い」
「幼少期練習していた努力が全く報われない」
などとぼやく人が多かったです。
それだけならよいのですが、本人に技術面の衰退の自覚が無い場合、合唱コンクールのピアノ伴奏者に立候補して、立候補者が1人だけの場合、自動的にその人に決定するため、伴奏者が正式決定した後になって、慌てて、
「家で練習してみようとしたのですが、全然弾けませんでした。誰か代わってください」
と、クラスの皆に代役を依頼せざるを得なくなった例も有ります。
これは、近隣の中学校数校の間で、毎年恒例と言って差し支えないほど起こっていた事です。
この時、音楽教師にブランクについての理解が有り、且つ、他に引き受けてくれる人が同じクラスにいた場合は丸く収まるのですが、音楽教師がブランクについて把握できていなかった場合、
「小学校の時は習っていて、伴奏をした事も有るんでしょう?それなら練習が足りないだけ。努力が足りない」
などと突き返されてしまい、本人が親や近隣の保護者に相談して集団で学校に相談し、担任教師(音楽担当ではない)を交えた保護者懇談会が開かれる程の大騒ぎになった例を知っています。
教育大学音楽専攻や、音大で、楽器のブランクについて教わっていないのか、合唱コンクールの伴奏曲程度であれば1ヶ月間程練習すればピアノ経験者は全員弾けるという認識を持った教師ばかりなのか、判りませんが、本人も教師もブランクについての認識が欠如している事が多いのではないかと思います。
各種試験勉強のブランクについて言及すると、私の少し上の世代が就職氷河期であったため、首都圏の有名大学の入試を受けて合格し、四年間で卒業しても、就職が全く決まらずフリーターになったという人を、当時現役大学生であった私と同じアルバイト先で大勢見かけました。
この中に、90年代後半の大学入試を突破し、卒論にも真剣に取り組み卒業できたという実績から、世代間格差も相まって、学科試験勉強には絶大なる自信を持って、法科大学院や医療系専門学校、医歯薬学部(大学)など、卒業して国家試験に合格しさえすれば年齢問わず確実に職に就く事ができる学校への入学を検討する人達が多々散見されました。
医療系専門学校の場合、三年制の看護専門学校へ入学して看護師を目指すケースや、二年制の専門学校へ入学して理学療法士や作業療法士を目指すケースが大半でしたが、専門学校の入試前の段階から、
「勉強するのは久々だから、たかが専門学校に入るのが大変に思える」
「これって入学しても3年間(もしくは2年間)勉強漬けってこと?」
などと雲行きが怪しい事を予感する発言をチラホラ耳にし、実際に入学した人達からは、
「たかが専門学校だと思っていたら、大学時代よりも勉強が大変」
「看護専門学校の学科試験の単位を落として留年しそう」
「理学療法士の専門学校の学科試験の単位を落として、実際留年してしまった」
「入学前は、年が離れた同級生と上手くやっていけるか、という人間関係の心配ばかりしていたが、実際は学科試験が一番大変」
「勉強のブランクが長すぎて18歳の同級生達よりも自分は苦労を強いられている」
などという、座学の試験勉強のブランクと過去に大学入試を突破した自分への過信、そして資格取得が危ぶまれる声を多々耳にしてきました。
「有名国公立大学を卒業した自分は、私立大学卒業生とは違う!専門学校なんかと一緒にしないで。もし医療系資格なら、最低でも薬剤師、私なら医師でないと割に合わない」
と、私に断言していた文系学部卒の女性が、近隣の私立薬学部の入試に不合格となった事に憤慨し、現実を直視できずに、地方の実家から定員割れしていた法科大学院に入学し、その後、司法試験で三振して多額の奨学金と学生という期間を埋める履歴だけが残ってしまったケースも有ります。
首都圏の名の通った大学を卒業していても、高校時代化学を履修していなければ、化学を履修中の現役高校生よりも勉強し直さなければならない事が多々有る事に気付いていないのか、自分は大学(どの学部でも、大学名が全国的に有名であれば)を卒業しているから地方の私立大学ならばどこでも合格できるはずだと過信していたのか解りませんが、実際に薬学部再受験失敗から法科大学院に入学した方が複数いらっしゃいます。
「司法試験で三振した結果、30歳過ぎても職歴無、資格無、婚姻歴無、有名大学を卒業した優秀な自分がそんな事になるはずないのに!生まれた時代が悪い!」
と、日々恨みつらみを下の世代にぶつけていらっしゃった方も存在します。
就活に失敗した理由が、不景気だけに因るものなのか、自分を客観視できなかった事に因るものなのか、判断付きかねますが、周りの正当に入試を突破した年下の現役学生達に当たり散らす行為は迷惑です。
2000年代半ばから後半にかけて、各地に私立薬学部と法科大学院が乱立しましたが、暫くの間、廃校に追い込まれずに経営が成立していたのは上述のような方々が続々と入学していたというのも一因です。
上述の事を振り返って、自分への過信とブランクの恐ろしさについて痛感しています。
特に、15歳までの子どものスポーツ・芸事(ピアノやバレエ)などの動作を伴う習い事や部活の場合、実力の低下が顕著に表れる気がします。
【本日のピアノの練習について】
・バッハ インベンション第1番(暗譜済)
・バッハ インベンション第2番(暗譜済)
・バッハ インベンション第3番(暗譜済)
・バッハ インベンション第13番(暗譜済)
・バッハ インベンション第9番
・バッハ インベンション第4番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第7番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第8番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第12番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第14番
・バッハ インベンション第5番
・バッハ インベンション第15番
・バッハ インベンション第10番 ト長調(意外に弾き辛い事が判明)
・バッハ シンフォニア第11番(暗譜済)
・バッハ シンフォニア第8番
・バッハ シンフォニア第9番(運指考案中)
・バッハ シンフォニア第3番(運指考案中)
・ショパン ノクターン第20番(遺作)
・ショパン エチュードOp.10-12(革命)(暗譜済)
・その他(スケール、アルペジオ、半音階、その他)
本日は、バッハ シンフォニアの運指考案に精を出していたため、ショパン エチュードOp.10-4はお休みです。
バッハ インベンションもブランクを作ってしまうと、全く弾けなくなってしまいそうなので、今年3月末までは、毎日練習予定です。
バッハ シンフォニアについては、今年3月末までに5曲(既に決定している第11番と第8番を含め、第9番、第3番の他に1曲)運指決定するのが目標です。