この冬一番の寒さが到来していると、毎日のように天気予報にて報道されていますが、寒さに反して梅の開花が進んでいます。

 

 

 冬の張り詰めた空気の中、花をつける梅の枝は、か細くも確実性芯の強さを感じます。

 

 

 1週間前は一輪のみ咲いていたのですが、今や華やかな装いを見せてくれています。

 

 梅の花は私が何も手を加えずとも、ただ季節の移ろいを待つだけでほぼ毎年開花の様子を見せてくれます。

 梅の樹木へ向かって何か働きかけるより、自然発生的な現象を待つ方が開花が見込めるということです。

 

 

 本日、大学入学共通テストが実施された旨、報道を目にしましたが、大学入試をはじめとした各種試験は、周囲の待つ力が鍵となります。

 高等教育を受ける意思の有る者が自発的に勉強しないということはまず有りません。

 したがって、大学入試各種国家試験に於いては、阻害因子を取り除く事、これが一番肝要です。

 

 大学入学後の定期試験や、各種国家試験の勉強の際、待てない人という阻害因子と如何にして上手く付き合うか、これが大きな問題となってきます。

 21世紀に入り、携帯電話に数時間返信が無いと機嫌が悪くなる待てない人が増えてくると共に、待つ力を備えた者を交友範囲とし、待てない人とは穏便に縁を切る事、このようなスタンスで物事に臨む人が増えてきたと感じます。

 

 携帯電話で繋がって無益な雑談を強要する、返信を待てない人は、周囲から敬遠されていくばかりで、30代や40代になった頃には同類のみが交友範囲に残り、10代の交わすような会話を毎日毎日LINEで5分おきにやり取りしています。

 

 待つ力が欠如した者は、あらゆる意味で物事とじっくり向き合う力が欠如しています。

 

 これは、子どもの成長を見守る親や、部下を育成する上司にも該当する事で、結果を急かし、待てない人上司になると、その子どもや部下の健全な育成は難しいのではないかと私は考えます。

 

 

 今月末から歯科医師国家試験が実施されるのを筆頭に、医療3師の国家試験が順に実施されていきます。

 20年以上前から、毎年、歯科医師国家試験→医師国家試験→薬剤師国家試験、この日程の順番に変更は有りません。

 この日程順からも伺えるように、薬剤師国家試験に最も要求されるのは待つ力なのです。

 本人待つ力ではなく、周囲待つ力です。

 以前、卒業式後の4月に開催されていた頃など、就職先が受験生を待つ力を試されていたのではないかと思っていた程です。

 

 私が嘗て受験した頃は、試験が3月、合格発表が4月という設定だったこともあり、学部卒で就職を希望する者が受験する場合、試験終了直後の月曜日の朝、自己採点結果を内定先に電話連絡するなど、全て自己申告で、学生と就職先との相互の厚い信用のもと、引っ越しから入職後の案内送付まで、あらゆる手続きが行われていました。

 

 待つ力欠如した例として、以前、歯学部6年生に在籍し、歯科医師国家試験を受験する者の彼女が、前年の11月頃から毎日毎日遊びの誘いに断られたとぼやいていた結果、別れを告げられた事が挙げられます。

 この彼女は、国家試験が終了するまで待てば良かったのですが、ほんの3~4ヶ月の期間を待つことが出来ず、

 「もう私これ以上待ちきれないよ!」

 「この若い年齢で何で試験勉強する人をずっと待っていないといけないの?」

 と音を上げたため、歯学部6年生から別れを告げられていたというのが真相です。

 

 これは、ほぼ毎年見られる現象です。

 医療3師の国家試験が開催される2~3ヶ月前から、待てない人別れを告げられるのは毎年恒例なのです。

 定期試験に於いてもよくあることです。

 

 聞くところによると、司法試験や司法書士の試験に於いてもよくあることらしいです。

 特に、旧司法試験の場合、受験回数制限が設けられていなかった為、待つ側としてもいつまで待てばよいのか先が見えず、

 待つ側「もう来年は待てない」別れを告げた翌年、受験生が合格していたというのは90年代からよくあることで、合格後は別の人と交際を始めるのもよくあることでした。

 

 待てない人とお付き合いしたい自発的に勉強する人はほとんどいないと思います。

 待てない人成人したら自発的に勉強する人からどんどん縁を切られていきます。

 

 

 

 【本日のピアノの練習について】

 

 ・バッハ インベンション第1番(暗譜済)

 ・バッハ インベンション第2番(暗譜済)

 ・バッハ インベンション第3番(暗譜済)

 ・バッハ インベンション第13番(暗譜済)

 ・バッハ インベンション第9番

 ・バッハ インベンション第4番 (暗譜済)

 ・バッハ インベンション第7番 (暗譜済)

 ・バッハ インベンション第8番 (暗譜済)

 ・バッハ インベンション第14番

 ・バッハ インベンション第5番

 ・バッハ インベンション第15番

  ・バッハ インベンション第12番(暗譜済) 

 ・バッハ シンフォニア第11番(暗譜済)

 ・バッハ シンフォニア第8番(運指思案中)

 ・ショパン エチュードOp.10-12(革命)(暗譜済)

 ・ショパン エチュードOp.10-4(暗譜済)

 ・その他(スケール ※特に左下行、アルペジオ、半音階、その他) 

 

 本日は有難い事に合計4時間以上ピアノに向かうことが出来ました。

 

 ピアノの練習に於いても、周囲の待つ力が鍵となります。

 子どもの場合、親と同居しているので、練習時間に制限が加えられたり、練習途中に何度も話しかけられたりすると、練習も捗りません。

 

 大人の場合、環境を自分で整える事により、練習の質が向上します

 待てない人と縁を切る、待てない人と新たに関わらないようにする、これが練習環境を整えるための最低限の条件です。

 

 25歳以上の場合、待てない人が周囲に一人でも存在する事自体、それまでの自分の生き方を猛省すべきだと私は考えています。

 

 ほぼ全ての趣味に言える事ですが、完全に一人になれる時間をどれほど確保できるか周囲の待つ力をどれほど自分が身に付けているか、今までの総合的な生き方が問われると思います。