鮮やかな色合いのお花が散見されるようになりました。
2021年夏のルピシアの福袋が無事到着し、興奮冷めやらぬ状態ですが、ピアノについて昨夜から記したい事が有ったのでブログ更新する事にします。
(福袋の中身の詳細は下記URL先記事に記載済みです)
竹6(ノンカフェイン・ハーブ)については明日記載致します。
今季もまたキケリキー!が入っていて心躍る気分です。
暑くなってくるとレモングラスなどのハーブティーを身体が欲します。
以前、幻想即興曲と英雄ポロネーズの単音パッセージの運指について、パラデフスキ版の楽譜ではなるべく手を広げる形での指使いを、全音楽譜出版社の楽譜では指くぐりを繰り返す指使いをするよう指番号が振られている事に言及しました。
※以前の該当記事はこちら
パラデフスキ版の「ショパン全集IX ワルツ」の楽譜には、どう云う訳か、不自然な程にオーバーラッピングやアンダーラッピングが頻出します。
数箇所例を挙げると、Op.34-2(イ短調)の第52小節の右手部分について。
パラデフスキ版の楽譜ですが、上記添付画像の赤枠で囲んだ部分が434との指示でアンダーラッピングする運指になっております。
この運指以外にも選択の余地が有ると思うのですが、何か理由が有るのか考えてみます。
参考として、全音楽譜出版社の楽譜は下記添付画像の通りで、アンダーラッピングなどの不自然な指使いはどこにも見受けられません。
2153 と続いた後は21でとって第53小節は3と辻褄が合います。
また、ワルツOp.64-2(嬰ハ短調)の第70小節の右手部分について。
パラデフスキ版の楽譜には、上記添付画像の赤枠で囲んだ部分が45との指示でアンダーラッピングする運指になっております。
この運指以外にも選択の余地が有ると思うのですが、何か理由が有るのか考えてみます。
参考として、全音楽譜出版社の楽譜は下記添付画像の通りで、アンダーラッピングなどの不自然な指使いはどこにも見受けられません。
更に、ワルツOp.34-2(イ短調)の第39小節の右手部分について。
上記添付画像がパラデフスキ版の楽譜ですが、赤枠で囲んだ部分が1→1と目を疑うような指使いです。
全音楽譜出版社の楽譜は下記添付画像の通り、指使いの指示無し。
直前のトリルの指使いが143と記載されている事から、2→1と捉えるのが自然だと思われます。
同じくワルツOp.34-2(イ短調)にまだまだ不可解な指使いが見られます。
第25小節の右手部分について。
上記添付画像のパラデフスキ版の楽譜の赤枠で囲んだ部分の7連符の途中が1→1との指示です。
全音楽譜出版社の楽譜を確認すると…下記添付画像の通り、同様に1→1記載でした。
黒鍵と隣り合う白鍵の場合、1→1でも問題無いとは思いますが、1→2の方が音色が良いのではないかと思います。
ここで少し思い当たる事が有るのですが、バッハのインベンションにもスライディングやオーバーラッピングは頻出していたのではないかと云う事です。
上記添付画像はバッハのインベンション4番ですが、第50小節の左手の赤枠で囲んだ部分について、黒鍵→隣り合う白鍵の打鍵に於いて、1を使ったスライディングの指示が出ております。
ショパンエチュードOp.10-8にも中間部にはスライディング指示が出ているのですが、ショパンエチュードはあのスピードと音の多さを考慮するとスライディング以外選択の余地が無い訳で、バッハのインベンションやショパンのワルツOp.34-2とは事情が異なると思います。
そこで、ショパンのワルツOp.34-2を楽譜のスライディング指示通りに弾いてみると、指を替えるよりもワルツに似つかわしい音が出る事に驚きです。
余談ですが、バッハのインベンション8番だけ挙げてみても、上記添付画像のような、何を目的として運指が決定されているのか不可解な箇所が出現します。
時代も作曲家も全く異なるのですが、パラデフスキ版のショパンのワルツの楽譜を見ていると、運指の決定思考が似通っている部分が多く、興味深いです。
ショパンのワルツOp.64-2とOp.34-2については、パラデフスキ版の運指通りに弾いてみるとショパンらしい音楽が出来上がるのかもしれないと思いつつあります。
ピアノの詩人が指示した指使いに忠実であった方が奏でる音にも趣が感じられると信じて、暫くは少し不自然な指使い通りに弾いてみます。