昨夜、就寝前1時間ほど減七の和音について考えた結果、今まとまっている私なりの見解を記します。

 何か書籍やサイトに頼る前に素人見解ながらあれこれ考える事により、「事実」を知った時に理解が深まるのではないかとの意図から、事実とはかけ離れている可能性見当違いである可能性が高い事についてご容赦ください。

 

 

 まず、異なる4つの音から構成された和音は、1オクターブ内に白鍵と黒鍵を合わせて12鍵有る事から、

 ₁₂C₄ =495種類 存在します。

 

 ここで、減七の和音について改めて考えたところ、定義そのものが、

 一番低い音をP、二番目に低い音をQ、三番目に低い音をR、一番高い音をSとすると、

 QPの短3度上RQの短3度上SRの短3度上の音であるから、PSとは必ず5度離れている事になります。

 ド~シの1オクターブ内の12鍵の中で、Pの取り得る音は、低い音から数えて、ド♯3通りのみです。

 

 故に、移調云々以前の問題として、この3種類しか減七の和音の本質は存在しない訳です。

 

 ハノン42番より抜粋して、赤枠をパターンⅠ水色枠をパターンⅡ緑枠をパターンⅢと分類する事にします。

 

 パターンⅠ

 

 パターンⅡ

 

 パターンⅢ

 

 上記添付画像が上述のパターン分類です。

 

 昨夜、就寝前に少し頭の中でこれらのアルペジオベートーヴェン月光の調性である嬰ハ短調移調しようとしたのですが、シャープを4つ付けて、更に短調となると、大元の減七の和音の定義について崩さざるを得ないこととなり、移調自体不可能なのではないかと云う思考に至りました。

 その直後、上述のような和音が495種類だとか短3度上などと云う事を考え始め、考えられ得る495種類の中で、減七の和音なり得る組み合わせは限りなく少ないのではないかと勘付き、このような結論に至った訳です。

 

 そこで、曲中のどのような箇所で出現するのか、思い当たる箇所を挙げていきます。

 

 

 昨日言及したベートーヴェン月光第3楽章(嬰ハ短調)第163小節~第164小節(上記添付画像緑枠(パターンⅢ)で囲んだ部分)と第165小節~第166小節(上記添付画像の赤枠(パターンⅠ)で囲んだ部分)。

 

 

 同じく昨日言及したベートーヴェン月光第1楽章(嬰ハ短調)第34小節(下記添付画像緑枠(パターンⅢ)で囲んだ部分)と第35小節~第37小節(下記添付画像赤枠(パターンⅠ)で囲んだ部分)。

 

 これを見て気付いたのが、月光第1楽章第3楽章減七の和音と流れているので、第1楽章と第3楽章とで音の遷移について何か共通するものが有るのではないか、と云う事です。

 詳しい流れについては解りませんが、この減七の和音と云う流れは無視出来ないのではないでしょうか

 (もしソナタの常識であれば単に私が無知なだけです)

 

 音の流れを詳しく見ていく前に、本日は様々な曲に於ける減七の和音出現する箇所を出来るだけ挙げていく掘り出し日としたいので、ショパンの曲に移ります。

 「幻想即興曲やり直し月間」と称しているので、幻想即興曲から。

 

 

 第22小節(上記添付画像の赤枠(パターンⅠ)で囲んだ部分)の左手アルペジオにも減七の和音が出現します。

 

 

 ショパンワルツOp.64-2(嬰ハ短調)は想像しただけで沢山有りそうな気がしましたが、下記添付画像赤枠(パターンⅠ)で囲んだ部分(曲中何度か出現します)以外には見当たりませんでした。

 

 

 

 ショパンワルツ第3番(イ短調)下記添付画像水色枠(パターンⅡ)で囲んだ部分(第19小節)にも減七の和音が出現します。

 


 ショパンワルツ第1番 華麗なる大円舞曲(変ホ長調)下記添付画像緑枠(パターンⅢ)で囲んだ部分(第8小節)にも減七の和音が出現します。

 

 

 

 有名なショパンバラード第1番(ト短調)下記添付画像緑枠(パターンⅢ)で囲んだ部分にも。

 

 

 同じくショパンバラード第1番(ト短調)下記添付画像赤枠(パターンⅠ)で囲んだ部分と水色枠(パターンⅡ)で囲んだ部分にも。

 

 

 バラード第1番に関しては精査していないので、曲の流れについては保留とします。

 

 ショパンバラード第4番(へ短調)の曲を楽譜を見ずに頭の中で連想しただけで減七の和音宝庫なのではないかと思い、確認してみたところ、最初のパートの箇所(下記添付画像緑枠(パターンⅢ)で囲んだ部分)にてすぐに発見。

 

 

 同じくショパンバラード第4番(ヘ短調)下記添付画像赤枠(パターンⅠ)で囲んだ部分と緑枠(パターンⅢ)で囲んだ部分にも。

 

 

 バラード第4番(ヘ短調)は細かく見ていくと減七の和音が多々有るのではないかと想定されます。

 

 心当たりが有ったショパンスケルツォ第1番(ロ短調)を見ていくと、第44小節に出現。

 

 

 出現しやすいパターンが有るのか判りませんが、調性と出てくる部分との関連性を見出す目的も有り、少し抜粋しています。

 

 そして、リスト「愛の夢 第三番」の最後の方の和音に3パターンとも登場します。

 

 

 「愛の夢 第三番」については、転調前のアルペジオの中に紛れている予感がしたのですが、最初から最後まで弾いてみても全く見当たりませんでした(単なる見落としかもしれませんが)

 

 ここまでで判った事は、

 ・曲の途中に出現している(最初や最後には出現していない)

 ・短調の曲に出現しやすい(長調の曲も調べたのですが、見当たらない事が多いです)

 ・嬰ハ短調の場合、赤枠(パターンⅠ)が多い

 

 これが何かの役に立つのか判りませんが、減七の和音が果たす役割は「何らかの予兆」の可能性が高いと思います。

 ハノン42番を練習していても、主役よりも脇役のようです。

 

 属七の和音については、ハノン43番を基に再び考えてみます。

 

 和音について細かい事を理論的に考えながら弾いていなかったので、もう少し考察が必要だと実感しました。