昨年の今頃から6月まで、外出自粛要請が出されると共にバレエレッスンが全て休講となり、身体を動かす機会が減少したので、近隣のウォーキングジョギングをしていた事が有りました。

 私と同様にジョギングに励む方々を見かける中、或る住宅地から、ピアノ「エリーゼのために」を練習している音が聞こえてくる事が有り、自宅でピアノを楽しんでいる方もいらっしゃるのだと実感した記憶があります。

 住宅地の協定にもよるのでしょうが、音響に関して割と寛容な地域からは、ソプラノリコーダーを練習している音を耳にする事も有りました。

 そのような中で、ベートーヴェン「テンペスト 第3楽章」の一部分を練習している音が流れてくる住宅が有り、数ヶ月後にはベートーヴェン「月光 第3楽章」の最初のアルペジオの部分をゆっくり練習している音が聞こえてきました。

 ベートーヴェンのソナタがお好きな方がお住まいなのか、何となく大人の再開組の方の予感がしたのですが、特に詮索せずに過ごす事にしました。

 

 意外に身近にピアノを再開した方が沢山いらっしゃるのかもしれません。

 

 本日のピアノの練習について。

 ・ハノン 減7の和音のアルペジオ、属7の和音のアルペジオ

 ・バッハ インベンション 8番

 ・バダジェフスカ 乙女の祈り

 ・ショパン 小犬のワルツ

 ・ショパン ノクターン第20番(遺作)

 ・ショパン エチュードOp.10-12(革命)

 ・ショパン エチュードOp.10-4

 ・ショパン エチュードOp.10-8

 ・ショパン エチュードOp.25-11(木枯らし)

  ・その他(ハノン スケール、34番、36番、同音連打、etc.)

 

 あれこれ手を付けていると曲数が多くなり、ほとんどの曲について部分練習のみ取り組む事になりました。

 昨年の今頃は、「乙女の祈り」を毎日通して弾く事により、オクターブ、トリル、アルペジオ、手の交差の練習を意識していました。

 しかし、上行ばかりで下行の練習にならない事から、昨年3月末を以てこの練習は廃止し、ハノンをメインに取り組む方法に切り替えました。

 そもそも、「乙女の祈り」自体、小学生時代に独学で練習していたので、そもそも練習の意味を為さないのかもしれません。当時ピアノを習っていたにもかかわらず、独学で練習したくなるほど好きだった曲のうちの1曲だったのかもしれませんが。

 

 そこで、ショパン エチュードOp.25-11(木枯らし)について。

 

 

 上記添付画像の第95小節で囲んだ音を右4で打鍵するのですが、イ短調のスケール単独で練習した時第93小節からインテンポで練習した時にはミスタッチする事が無いのに対し、第89小節から最後まで通すと、インテンポの3分の2程度の速度であっても必ずこの音を毎回同じようにミスタッチしてしまいます

 最後だから無意識のうちに気を抜いてしまうのか、他の部分も怪しげな状態で打鍵していて最後の最後で「ミスタッチ」として詰めの甘さが露呈していまうのか。

 

 この1週間、具体的には記しませんでしたが、日々の練習の「その他(…、etc.)」の中に、木枯らしの第93小節から最後までの部分を毎日取り入れておりました。

 

 これは右4に関する問題の根本的解決がなされていない為、起こり得る問題の一つだと考えられます。

 

 全体は部分の単純合計ではありませんが、木枯らしに限って言えば、部分練習を重ね過ぎた結果、1曲通すと、出来ていたはずの部分部分の詰めの甘さが露わになり、結果としてミスタッチを起こしてしまう箇所が多々有ります。

 これは昨年9月中旬頃のショパンエチュードOp.10-4についても同様でした。

 

 その曲が要求する最低限のメカニック的な基礎力を備えていない状態で部分部分を練習した時に起こる現象だと現段階の私は考えます。

 

 

 

 そこで、上記添付画像の第11~12小節について、コルトー版の楽譜に於いては、で囲んだ部分の指番号が3と指定されているのですが、本日確認したところ、私は常に4を用いていました。

 

 

 

 ウィーン原典版によると、該当箇所について4が指定してある事や指番号指定が無い事が確認されます。

 

 

 全音楽譜出版社の楽譜と照らし合わせると、別パターンで指番号の指定が無い場合4を指定している箇所も有ります。

 私は現時点では第11~12小節の右手の運指は全て全音楽譜出版社の指定と同じです。

 (※画像が粗くなってしまったので判り辛く申し訳ないですが、それぞれの指番号の指定が全く異なります)

 

 

 

 ウィーン原典版第12小節で囲んだ部分についてですが、昨年12月の時点ではこのような跳躍は無理だと半ば諦めながらも譜読みを続けておりました。しかし、練習を続けていると、自然に出来るようになったので、反復練習慣れで克服出来る部分だと思います。

 

 木枯らし自体、夢のまた夢と云うべきか、練習しようとすら思わず、楽譜を開く事もほとんど無かった手の届かなかった曲で、私は一生CDにて聴くだけでまさか自分が少しでも練習する事になるとは思わなかった高嶺の花だったので、今、或る程度の形が出来上がっている事自体信じられません。

 一旦寝かせておいて基礎力を強化したらまた練習に励む、この繰り返し一年計画で挑もうと思います。

 

 「革命のエチュード強化月間」と銘打った割に、あれこれ目移りし易い私は他のショパンエチュードの曲ばかり練習しています。

 革命に関しては、第25~27小節に絞ってゆっくりやり直して最終的には2回通しました

 最近、革命を2回通す事が多いのですが、毎回、1回目より2回目の方が出来が良く、特に再現部に関しては雲泥の差です。

 指が慣れてくると比較的思うように音が出るのですが、最初は心構えが必要なのか、精神面で戸惑っている気がします

 

 

 バレエレッスンが再開されて9ヶ月経ち、ジョギングから遠ざかった今、お近くにピアノを再開された方々が多い気がしてなりません。