本格的な寒さが到来し、朝からピアノの鍵盤に向かう手も指先まで凍り付いたように冷え切りがちな気候になりました。
本日はその冷気への対策として、起床後、すぐ鍵盤へ向かうのではなく、洗面器に38~40℃のお湯を張り、手首まで3分間ほど浸してゆっくりとほぐしてから練習に臨みました。
朝食前は栄養が行き届いていない為、ハノンや過去に仕上げたはずの曲に30分程取り組んで指を慣らした後、朝食を摂って身支度を済ませて再び30分程練習に取り組みます。この時初めてショパンのEtude Op.10-4に手を付ける事となります。身体の末端まで栄養が行き渡ってからでなければ、Op.10-4の練習に取り組む事自体体力的に厳しいのです。
本日はあまりの寒さにベッドから出たくなかったのですが、余程の体調不良でもない限り、毎朝ピアノの練習をしてから自宅を出るようスケジュールを組んでいる為、何とか朝早くベッドから出る事を頑張る事が出来ました。
ここで、練習中の飲み物について。
エアコンを入れずとも乾燥している季節ですので、私の場合、練習時間が20分以上にわたる場合、水分補給は欠かせません。寝起きは特にエコノミークラス症候群に陥る事を回避する為にも、ピアノから少し離れた場所に、生姜湯やジンジャーレモン系統のルイボスティーを用意しておき、定期的に水分補給すると共に、身体の内側から温める事を意識しております。
休日、特に予定の無い日は4~5時間まとまった練習時間を確保出来る場合も有るので、最近はルピシアのジンジャー&レモンマートルを愛飲中。
生憎、本日は仕事に出ねばならず、継続して120分間練習時間を確保する方法では無く、朝と夜とで分割して時間を捻出せざるを得ませんでしたが、ピアノの練習は意外に体力を消費するので(取り組んでいる曲にも多少左右されますが)、やはり練習途中での水分補給は必須だと私は考えます。
知人の医師から、お腹の中にホッカイロを入れておくと良いと助言を受けたので、昨日から試してみたところ、ショパン Etude Op.10-5(黒鍵)をゆっくり練習する際に重宝しました。
Op.10-4はインテンポで音を出す事が出来る地点まで到達しているので、通し練習の最中は寒さを感じる余裕すら無く時間が過ぎ去っていきます。
黒鍵のエチュードは来月半ばまでにインテンポで音を出せる地点に到達させたいので、左手のみを通して何度か練習した後、ゆっくり両手で通したり両手で部分練習に取り組んだりしているのですが、右手の跳躍を除いては苦手分野がどこなのかすら把握出来ていない程で、まだまだ片手ずつ取り組むべきか、私には難しすぎるのか…等と思い始めています。
楽曲として非常に好きな作品だけに、あまり妥協したくないのです。
黒鍵の練習を両手で始めて実感したのですが、聴いた感じよりも意外に体力が必要な曲です。
卵を丹精込めて温めて孵化させようとしている親鳥の気分…。
孵化してから羽化する段階が一番育て甲斐が有り、羽化してから立派な成鳥に育て上げる段階が一番難しいと思うのです。
2018年、2年前のこの時期の東京ミッドタウンのクリスマスイルミネーションです。
この場で撮影した際、東京の気温は本日より低かった筈ですが、静謐な光景に夢中になっており、寒さを忘れて鑑賞していた記憶が有ります。
華麗と呼ぶにはやや謙虚な感じのする繊細さ、張り詰めた空気が黒鍵のエチュードの雰囲気に酷似しており、当時の事を思い起こしました。
Chopin Etude Op.10-4の通し練習をしている最中もこの空間に居た時のような、寒さを忘れているような感覚が有ります。
もう少し余裕を持って通し練習に取り組めるよう日々鍛錬を積んでいこうと思います。