この夏、大変おもしろい本を読んだ。
山下道代著『古今集の恋の歌』で、和歌についてこれほど深く詳しく解釈したのを読むのは初めてで、古今集全体の性格、当時の歌人たちの言語意識についても教えられることが多かった。
その本の中で、「しののめ」について紹介された説がある。
しののめは万葉集では「小竹之眼」とか「細竹目」と表記されているそうで、「もとは細竹(篠)を粗く編んで窓や戸口に垂らしたすだれ状のものの、編み目のすきまのことだという。」類語に「いなのめ」という語もあり「稲の目」とのこと。
どちらもその編み目の隙間からそとの光が薄く射してくる時間帯を意味するようになった、とのこと。
しののめの語源としてもおもしろいし、以前から平安時代あたりの「窓」はどんんな窓だったのか気になっていたので、参考になった。
しののめのほがらほがらと明けゆけばおのがきぬぎぬなるぞかなしき
よみびとしらず