昨日今日 | 菊と斧

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今日とか昨日、明日といった語を国語辞典で引く人はあまりいないのではないか。

 

 

まあ、わざわざ引くまでもない。

 

では、昨日今日はどうか。

 

 

こちらも五十歩百歩。

 

古今集では、病して弱くなりにける時よめる

また、伊勢物語では、昔、男、わづらひて、心地死ぬべく覚えければ

との詞書があって、

 

つひにゆく道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを

 

という在原業平の辞世とも言われる歌がある。

 

ふつうならこういう場合「昨日今日」ではなく「今日明日」とすると思う。

歌の調子の問題でそうしたのかもしれない。

多分そうなのだろう。

 

今年もシャコバサボテンが咲いた

 

だが、もしかしたら、「昨日の時点では明日、つまり今からみて今日という日にゆくことになるとは思っていなかった」という可能性はないか。

 

と、ふと思った。