ポータブル電源の選び方 | 菊と斧

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昨日の最高気温は34.8℃でぎりぎり猛暑日ではなかった。

と言っても0.2℃の差に意味はない。暑かった。

 

このところポータブル電源のことに何度か触れたら関心を持って下さった方がいるので、少し詳しくご紹介してみたい。

 

まずは、何に使うかの用途をはっきりさせるのが第一。

用途によって容量が決まってくる。

 

我が家の場合は災害時に停電になっても井戸のポンプを動かすことができるように、という目的で2000whを選んだ。

2000whはほぼ最大級のポータブル電源といえる。

実際にはもっと大容量のものがあるが、そうなると値段も高価になるし重量も40kg、50kgになるのでもはやポータブルとは言い難い。それならいわゆる家庭用蓄電池を選ぶ方がいいと思う。

 

容量は他に1500wh、1000wh、500wh、300wh、などがあり、値段は100whあたり1万円と考えてまちがいないが、実際には期間限定で割引かれていることが多く、我が家の2000whは16万くらいだったか。

 

容量が決まったら、次にはバッテリーの種類を選ぶ。

今主流はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーでこれは充放電を3000回繰り返すことができると言われている。

他に三元系リチウムイオンバッテリーのものがあり、こちらは充放電500回といわれている。

そうなると選ぶのはリン酸鉄の方になるが、実際に3000回充放電できるかどうかはわからない。バッテリー以外の部分が先にだめになる可能性がある。

容量に少し余裕のあるバッテリーであれば、使い方によっては満充電から残り10%くらいまで使い切るのに数日かかるかもしれない。それなら500回充放電させるのに何年もかかるだろう。

当然三元系の方が値段は安くなるので、使い方によってはこちらの方がいいかもしれない。

 

次に、これも使い方の話になるが、ポータブル電源にはups機能のついているものがある。

ポータブル電源を壁のコンセントにつないでおくと、ポータブル電源に接続した機器には直接電力会社からの電気が流れていて、停電になると瞬時にポータブル電源に蓄電した電気に切り替わる、というもの。

我が家ではデスクトップPCをポータブル電源につないで使っている。万一停電になっても安心だし、雷が近づいた時には壁のコンセントから抜くと落雷による障害の心配がなくなる。

詳しいことは知らないが、upsとかeps,あるいはパススルーとかも同じようなものらしい。

 

次に充電速度の違いがある。

同じ容量でも1〜2時間で充電できるものもあれば、5〜6時間、あるいはそれ以上かかるものもある。

急速充電できるものの方が圧倒的に使い勝手がいいけれど、バッテリーへの負担は大きいらしい。

が、先ほども触れたように、3000回充放電可能なバッテリーであっても機器全体としてそれだけの寿命があるかどうかはわからないので、やはり充電時間の短いものをお勧めする。

 

最後に、もしポータブル電源を効果的に使って節電したいなら太陽光発電の電気を使わないと節電にはならないということは気をつけてほしい。

 

家庭用コンセントから出てくる電気は交流(AC)で、ポータブル電源に蓄電されるのは直流(DC)なのでACからDCに変換されるが、その際にロスが出る。それが2割程度か。さらにポータブル電源から電気を取り出すときにもDCからACに変換するのにロスが生じる。これも2割ほどか。そうすると100が80になり、80が64になってしまうので節電どころか、せっかくの電気を無駄にしてしまうことになる。

 

なのでソーラー発電、あるいは家庭用の風力発電などで発電した電気を使うのでなければ節電にはならない。

 

さらに、節電を費用の点からだけ考えているなら、ポータブル電源とソーラーパネルを購入して元が取れるか、ということになるが、多分元は取れないと思う。

我が家の場合は災害用に備えているわけだが、万一の場合以外に使わずにおいておくだけではもったいないのでソーラーパネルも導入した。

元は取れなくとも、電力会社の電気を出来るだけ使わずに済むのがうれしい。

そのうれしさの元は遊び心とでもいうしかない。

 

他にも気をつけることはあるかもしれませんが、とりあえず思いつくままに書いてみました。参考になればさいわいです。

 

下がoukitelのAbearlで960wh、上がよくわからない320whのもの