気付けばもういい歳になっていた。
親も親戚も会社の人たちも
私に
「まだ結婚しないの?」
そう言わなくなっていた。
なんとなく縁がなくて結婚しなかったのだけど
今は恋愛自体が難しい。
結婚を意識するとうまくいかない。
結婚を意識せずに割り切って恋をする方が簡単なような気がする。
本気の恋ができなくてももういい。
傷つくのは嫌だから。
私ももういいやって諦めてるし
独身も結構楽しいからそれでいいかなって
最近は思うようになった。
そんな感じでお局様と陰で言われるようになってしまったし
会社では得に楽しいこともなかったのだけど
少し前に異動してきた彼がなんだか話しやすくて
ほんの少しだけ会社に行く刺激ができた。
会社の飲み会の帰り道、
たまたま二人きりになることがあった。
彼は私の話を楽しそうに聞いてくれた。
彼の話も楽しかった。
私が言った冗談に笑い転げて
「どうして君みたいなコが独身なんだろうね。もったいないな」
そう言った。
私は突然心臓を掴まれたようにドキドキして
口を少し開いたまま
彼から目を離せずないでいるのがわかった。
きっと恋に落ちる瞬間ってこんな感じなのだろう。
私は彼を好きになっていた。
「あ、セクハラ発言だったかな?ごめんなさい」
私と彼は笑った。
私は彼を十分好きだと意識してしまっていたのだけど
その気持ちを言葉にすることはできなかった。
彼は妻子ある人だった。
どうして好きになったりしたんだろう。
もう自分をコントロールできないほどの恋愛はするつもりはなかったのに。
彼はいつも優しかった。
話してて楽しかった。
時々二人だけでごはんを食べに行くこともあった。
どうしてこれ以上のものを欲しがってしまうんだろう。
私はいつも苦悩しながら
彼と過ごせるわずかな時間を楽しんでいた。
苦しかった。
冬のある日、
そばを歩いていたカップルが寄り添いながら
クリスマスの予定を話していた。
クリスマス。
特別な日っていう感覚はもうとうの昔に捨てていた。
なのに
今、私は
彼と一緒に過ごせたら
そんなことを思っている。
「クリスマスは家族でパーティー?」
私は訊いてみた。
「うん。別に俺がいなくても、毎年カミさんと子供たちだけでやってるんだけどね・・」
彼の言葉の間合いも
話す表情も微妙な何かがあった。
だけど・・・
「そう」
それ以上はやっぱり何も言えない。
好きだけど気持ちを伝えることもできない。
彼もきっと同じだ。
もし
お互いを受け入れてしまったら
なにかが壊れてしまうから。
そして
私は久しぶりの本気の恋を
捨てる決意をした。
親も親戚も会社の人たちも
私に
「まだ結婚しないの?」
そう言わなくなっていた。
なんとなく縁がなくて結婚しなかったのだけど
今は恋愛自体が難しい。
結婚を意識するとうまくいかない。
結婚を意識せずに割り切って恋をする方が簡単なような気がする。
本気の恋ができなくてももういい。
傷つくのは嫌だから。
私ももういいやって諦めてるし
独身も結構楽しいからそれでいいかなって
最近は思うようになった。
そんな感じでお局様と陰で言われるようになってしまったし
会社では得に楽しいこともなかったのだけど
少し前に異動してきた彼がなんだか話しやすくて
ほんの少しだけ会社に行く刺激ができた。
会社の飲み会の帰り道、
たまたま二人きりになることがあった。
彼は私の話を楽しそうに聞いてくれた。
彼の話も楽しかった。
私が言った冗談に笑い転げて
「どうして君みたいなコが独身なんだろうね。もったいないな」
そう言った。
私は突然心臓を掴まれたようにドキドキして
口を少し開いたまま
彼から目を離せずないでいるのがわかった。
きっと恋に落ちる瞬間ってこんな感じなのだろう。
私は彼を好きになっていた。
「あ、セクハラ発言だったかな?ごめんなさい」
私と彼は笑った。
私は彼を十分好きだと意識してしまっていたのだけど
その気持ちを言葉にすることはできなかった。
彼は妻子ある人だった。
どうして好きになったりしたんだろう。
もう自分をコントロールできないほどの恋愛はするつもりはなかったのに。
彼はいつも優しかった。
話してて楽しかった。
時々二人だけでごはんを食べに行くこともあった。
どうしてこれ以上のものを欲しがってしまうんだろう。
私はいつも苦悩しながら
彼と過ごせるわずかな時間を楽しんでいた。
苦しかった。
冬のある日、
そばを歩いていたカップルが寄り添いながら
クリスマスの予定を話していた。
クリスマス。
特別な日っていう感覚はもうとうの昔に捨てていた。
なのに
今、私は
彼と一緒に過ごせたら
そんなことを思っている。
「クリスマスは家族でパーティー?」
私は訊いてみた。
「うん。別に俺がいなくても、毎年カミさんと子供たちだけでやってるんだけどね・・」
彼の言葉の間合いも
話す表情も微妙な何かがあった。
だけど・・・
「そう」
それ以上はやっぱり何も言えない。
好きだけど気持ちを伝えることもできない。
彼もきっと同じだ。
もし
お互いを受け入れてしまったら
なにかが壊れてしまうから。
そして
私は久しぶりの本気の恋を
捨てる決意をした。