仕事に行く前に、
少しだけ、実家に寄った
実家には母がいた
そういや母の車の調子が悪く、
修理に預けていると言ってたな
そして、修理の間の代車が
なんと軽トラしかなかったという
一応、母はミッションも運転
できるが、何となく不安だ
そして父はもともと軽トラに
乗っている
つまり、現在実家には
母の代車の軽トラと、父の軽トラ
2台の軽トラが停まっている
いくら田舎の家とはいえ、
他人からみたら笑われるなぁ、
と、私が小バカにすると、
母は「ホンマやなぁ」といって
笑っていた
母が声を出して笑っているのを
最近はよくみられるようになった
優しくて真面目な母
毎日ちゃんと仏壇に向かい、
手を合わせている母
きっと、毎日たくさん
涙を流してきただろう
だけど、私の些細な冗談に
あんなに笑うようになった
まるで以前の日常に戻った
みたいだった
本当は、全然そんな事ない
って分かってる
母も、私も
ずっと深く冷たい海の底にいる
穏やかなようにみえても、
虚像でしかない
だけど、母が私の前で明るく
いてくれる姿は少し安心する
また、笑ってくれるようになって
よかったな、と静かに思う
そうだ、
母は
優しくて
真面目で
とても強い人だった
母が母でいてくれてよかったな
運転には気をつけてね