妊娠がわかってから化学流産したとわかるまでの間に、「友達とランチ」というイベントが入っていた


と言っても、私を含め3人でのランチ会

1人は独身、1人は8ヶ月の乳児連れだった


検査薬で陽性反応が出たばかりの私は無敵だった

赤ちゃんを前にしても全然辛くなかった


友達2人は私の息子が亡くなった事を知らず、私もその事を言えなかった

言ったら、とても食事が喉を通らなかっただろう


友達の1人が聞いてくる


「下の子はいくつになったの?」

「3歳かー、じゃあ次は幼稚園の年少?」



う、ん……



と答えるので精一杯だった


他の話に話題をそらしたかったが、こういう時に限って言葉が出てこない


本当の事を言えなくてごめんね

黙っててごめん


住んでる地区が違うから、すぐに分かる事はないだろう


いつか何年かたった後で、人の噂とかで知ってくれたら、と思う


なるべく悲しみが薄れる方法で知ってほしい


あとは、乳児連れの子の出産時の話や再婚話で、息子の話はしなくてよかった


周りでも、妊娠、出産が続いた

適齢期ならまだしも、アラフォーでだ


同じ38歳で、普通に妊娠して、健康に産まれて、うらやましいなぁって思ってたけど、友達は帝王切開したみたいだったから、やはり出産はすんなり簡単にいくとは限らないんだな、とも思った


言ってないだけで、いろんなトラブルとの戦いだったのかもしれない


SNSでは「産まれた」事しか発信しないけど、その背景にはいろんな苦労があったのかも


その3日後、私も絶望の底に落ちてしまったけど、友達と会ってる間、穏やかな気持ちでいられたのは、この子のおかげだった


まだ、命になる前の、小さな命


私を元気づけてくれてありがとうね


また頑張るから、待っててね