主人が『キースさん』に続き『親友T』との話を書きはじめた。
これは1984年、
僕が高校1年生の頃から現在まで続いている親友Tとの交友の中で、印象深い思い出を、書き綴っていこうという試みである。
こんな人間でもよかったら、誰かいい人はいないだろうか。
◇◇◇
僕には高校1年生の頃からの付き合いになる親友がいる。
昭和43年生まれだから現在は43歳。
学生の頃は柔道部で主将、副主将の仲、ずっと僕を補佐してくれて、仏の副主将として後輩たちに慕われていた。
ライバル校との練習試合で、向こうの熱血顧問と真剣勝負をして、脳震盪をおこした僕の介抱をしてくれたのも彼だ。
脳震盪なんてはじめての体験で、あちこちにまき散らした吐瀉物をTが掃除してくれて以来、僕は彼を真の親友と慕うようになった。
またTは、僕の結婚式で司会を務めてくれた。
当時はお互い21歳。
不慣れな大役を、彼はよくやってくれた。
司会を依頼するとき、僕は彼とひとつの約束をしている。
Tの結婚式では、今度は逆に僕が司会をやって、笑いと感動の渦に巻き込んでやるというものだ。
なのにまだお声がかからない。
かれこれ20年、僕はスタンバイ状態。
「どうなっているんだ」と問い詰めると、
「相手がいなければはじまらん」と返すT。
しかし彼ががそのための努力をしているのを見たことがない。
独身貴族の満喫、というものではない。
Tは昔からけっこう奥手かつ古風かつ面倒くさがりやで、それゆえに高校時代の片思いをずっと引きずっていたりする。
リアルタイムで僕に白状していたら、なんとかして、いい思い出のひとつでも作ってやったのに、この片思いを聞いたのも、おととしの正月である。
彼は今、大きな工事の現場監督として、あちこち全国の現場を受け持っているのだが、マジメ一筋で働き者、独り身の手軽さを利用されているだけで、女性と出会うチャンスが全然ない。
何しろ大酒を飲むことも、ギャンブルにハマることも、女遊びに狂うこともなく、たまの休みの日には電車の時刻表を眺めるとか、「こち亀」の単行本を全巻そろえて読破するとか、家でゴロゴロ昼寝をするという、とても奥ゆかしく地味な人生を過ごしている。
彼は男二人兄弟の長男である。
良くできた弟はとっくに結婚して、母親を安心させている。
毎年、僕宛の年賀状には「兄をよろしくお願いします」と書いてあるのだが、
このままいけば「よろしく」の意味が変わり、老後の面倒を見なければならないような気がする。
最悪の場合、僕が責任をもって看てやるけども。
誰かいないだろうか、この男の面倒をみてくれる女性は。
これは1984年、
僕が高校1年生の頃から現在まで続いている親友Tとの交友の中で、印象深い思い出を、書き綴っていこうという試みである。
こんな人間でもよかったら、誰かいい人はいないだろうか。
◇◇◇
僕には高校1年生の頃からの付き合いになる親友がいる。
昭和43年生まれだから現在は43歳。
学生の頃は柔道部で主将、副主将の仲、ずっと僕を補佐してくれて、仏の副主将として後輩たちに慕われていた。
ライバル校との練習試合で、向こうの熱血顧問と真剣勝負をして、脳震盪をおこした僕の介抱をしてくれたのも彼だ。
脳震盪なんてはじめての体験で、あちこちにまき散らした吐瀉物をTが掃除してくれて以来、僕は彼を真の親友と慕うようになった。
またTは、僕の結婚式で司会を務めてくれた。
当時はお互い21歳。
不慣れな大役を、彼はよくやってくれた。
司会を依頼するとき、僕は彼とひとつの約束をしている。
Tの結婚式では、今度は逆に僕が司会をやって、笑いと感動の渦に巻き込んでやるというものだ。
なのにまだお声がかからない。
かれこれ20年、僕はスタンバイ状態。
「どうなっているんだ」と問い詰めると、
「相手がいなければはじまらん」と返すT。
しかし彼ががそのための努力をしているのを見たことがない。
独身貴族の満喫、というものではない。
Tは昔からけっこう奥手かつ古風かつ面倒くさがりやで、それゆえに高校時代の片思いをずっと引きずっていたりする。
リアルタイムで僕に白状していたら、なんとかして、いい思い出のひとつでも作ってやったのに、この片思いを聞いたのも、おととしの正月である。
彼は今、大きな工事の現場監督として、あちこち全国の現場を受け持っているのだが、マジメ一筋で働き者、独り身の手軽さを利用されているだけで、女性と出会うチャンスが全然ない。
何しろ大酒を飲むことも、ギャンブルにハマることも、女遊びに狂うこともなく、たまの休みの日には電車の時刻表を眺めるとか、「こち亀」の単行本を全巻そろえて読破するとか、家でゴロゴロ昼寝をするという、とても奥ゆかしく地味な人生を過ごしている。
彼は男二人兄弟の長男である。
良くできた弟はとっくに結婚して、母親を安心させている。
毎年、僕宛の年賀状には「兄をよろしくお願いします」と書いてあるのだが、
このままいけば「よろしく」の意味が変わり、老後の面倒を見なければならないような気がする。
最悪の場合、僕が責任をもって看てやるけども。
誰かいないだろうか、この男の面倒をみてくれる女性は。