という深夜番組があります。



月曜日の夜です。



昨日ですね。



今田耕司
壇蜜
立川談春

を中心に、若手落語家達が今話題になっている事を、自ら取材し、落語のように話す番組です。



若手落語家…と言ってもまだまだ無名。



話題に上がったのは、春風亭ぴっかり☆くらいでしょうか。



大人AKBの最終オーディションまで残った彼女、と言えばちょっとはピンとくるかと。



まあ、とりあえず出演陣の事は置いといて



昨日の番組で取り上げられた話が、ものすごくびっくりしたので、こんな時間ですけど記事にしてますあせる



で、昨日取り上げられた話というのが

昨年、文部科学大臣賞を受賞した小学4年生が母に贈った作文『ぼくがいるよ』の話なんです。



千葉県に住む現在小学5年生の森田悠生くん。



ドラゴンボールが好きなどこにでもいそうな小学生です。



昨年の2月に母親が病気で入院し、無事退院はしましたが、後遺症で嗅覚と味覚が無くなってしまいました。



その後の夏休み、悠生くんは宿題の作文を書きお母さんに『作文書き終わったんだけど見てくれる?』と渡しました。



お母さんは塾の先生をしていて忙しかったのと、体調があまり良くなかったので『後で見るね』
『うん、わかった』



なんとなくそんな日が続きまして夏休みが終わったある日、一本の電話がかかってきて文部科学大臣賞を受賞した事を知るんです。



お母さんは作文を読んでませんから、実際に読んだのは新聞に掲載されて初めて内容を知ったそうです。






--------------------------------------------------------



『ぼくがいるよ』森田悠生


お母さんが帰ってくる!
1ヶ月近く入院生活を送っていたお母さんが戻ってくる。

お母さんが退院する日、ぼくは友達と遊ぶ約束もせず、寄り道もしないでいちもくさんに帰宅した。

帰宅すると、台所から香ばしいにおいがしてきた。
ぼくの大好きなホットケーキのはちみつがけだ。

台所にはお母さんが立っていた。
少しやせたようだけど、思っていたよりも元気そうでぼくはとりあえず安心した。

『おかえり』
いつものお母さんの声がその日だけは特別に聞こえた。

お母さんの様子が以前とちがうことに気が付いたのはそれから数日経ってからのことだ。

みそ汁の味が急にこくなったり、そうでなかったりしたので、ぼくは何気なく
『なんだか最近、みそ汁の味がヘン。』と言ってしまった。

すると、お母さんはとても困った顔をした。

『実はね、手術をしてから味と匂いが全くないの。だから、料理の味付けがてきとうになっちゃって…』

お母さんは深いため息をついた。
そう言われてみると最近のお母さんはあまり食事をしなくなった。

作るおかずも特別な味付けが必要ないものばかりだ。

しだいにお母さんの手作りの料理が姿を消していった。
かわりに近くのスーパーのお惣菜が食卓に並ぶようになった。

そんな状況を見てぼくは一つの提案を思いついた。

ぼくは料理が出来ないけれどお母さんの味は覚えている。
だから、料理はお母さんがして味付けはぼくがする。

ぼくからの提案にお母さんは少しおどろいていたけど、すぐに賛成してくれた。

『では、ぶりの照り焼きに挑戦してみようか』
お母さんが言った。
ぶりの照り焼きは家族の好物だ。

フライパンで皮がパリッとするまでぶりを焼く。
その後、レシピ通りに作ったタレを混ぜる。
そこまではお母さんの仕事。

タレを煮詰めて家族が好きな味に仕上げるのがぼくの仕事。

だいぶ照りが出てきたところでタレの味を確かめる。

『いつもの味だ。』
ぼくがそう言うと久しぶりにお母さんに笑顔が戻った。

その日からお母さんとぼくの共同作業が始まった。
お父さんも時々加わった。

ぼくは朝、一時間早起きをして一緒に食事を作るようになった。

お母さんは家族をあまり頼りにしないで一人でなんでもやってしまう。

でもね、お母さん、ぼくがいるよ。
ぼくはお母さんが思っているよりもずっとしっかりしている。

だから、ぼくにもっと頼ってもいいよ。
ぼくがいるよ。

いつか、お母さんの病気が治ることを祈りながら心の中でそうくり返した。





-------------------------------------------------------



凄いです。



小学4年生ですよ。



本を読むのが好きという事で、取材に行った落語家が『好きな本は何?』と聞いたら
『ドラゴンボール!』
即答だったらしいんですけど、最近読んだのでは『永遠の0』だそう。



お母さんにどうして悠生くんが作文上手くなったのか聞いてみたら、自宅で塾をやっていて、その隣の部屋が悠生くんの部屋らしいんです。



中学生にも教えてて、夜遅くまでやってるもんだから、ボキャブラリーや言い回しなんかが身についたのでは?ということらしいです。



お母さんに『作文読んでどうでしたか?』と尋ねたら『前の方が上手く書けてたかも知れないです。これでよく獲れたなぁと思ってます。』との事。



『どういう事ですか?』と聞いたら『あれ見て下さい。』とお母さんが指差す方には同じトロフィーがふたつ。



一つは2013年、文部科学大臣賞のトロフィー。



その隣には2012年、文部科学大臣賞のトロフィー。



……………………。



そうです。悠生くん、2年連続で文部科学大臣賞受賞してるんです!!




びっくりしますよね、そりゃ。



落語家も『2年連続でとったのか、お前は⁉︎』と聞いたら
『うん。最初とったらお金くれたから、もう一回出した。』
子供は正直です。



2回受賞したので、最近流行りのゴーストライター疑惑なんてのもネットでは浮上したようです。



でも落語家は悠生くんの机の上を見たら、書きかけの次回作が置いてあったそうです。



次回作は小説で、今度は童話コンクールに出そうと思ってるようです。



『悠生、書いてんのか?』
『またお金…』
『お金の話はいいから。…何買うんだ?』
『ドラゴンボール!』即答だったようです。



大人と子供の間を行ったり来たり…。



そんな小学生の話でした。