こちらの作品は私のオリジナル作品です。
他サイトで投稿しているものをこちらで載せています。
盗作では有りません。
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「………あんた、簡単に忘れろいうますがな?


時と場合によっちゃ、許されへんこともありんすっ!


あちきん中では未だに納得いっとらんことやのにっ!


今だけ忘れろ?


若旦那と真っ正面から向き合え?

旦那と向き会う為がことでっ、なんであちきの大事な姐さんを忘れなあきまへんのっ!」


「…………っ、若女将っ私はっ………!」


お公美さんは、顔面蒼白になって説明をしようとするが、そんな説明は聞きたくなかった


「うるさいっ!


もうええですわっ!


旦那と向き会え、屯えと邪悪しいっ!


こんな所っ!もういとうないわっ!」


「!!!若女将っ?何処へっ!」

部屋を出て行こうとする私に、お公美さんはヘバリついて止めようとする


「離してくんしっ!あちきはもうこないな所いとうないっ!」


私は、がむしゃらに暴れ回る




「っ、誰かっ!誰かっ!


若女将を止めてっ!」



お公美さんは、お腹の底から大声を張り上げる


その切迫詰まった声に、表にいた番頭やら何やらが、こちらにどかどかと入り込んできた


「若女将っ!一体どうなされたのですっ?」


番頭の榊原が私の身体を大きな身体で押さえ込みながら問いてくる

「離してくんしっ!ここは、他人の心だけやのうてっ、想いまでも自由にならんのかっ!」


「………っ、若女将??」

榊原は、訳がわからないながらも、身体の力は抜かない


「あちきはっ、2度もここから姐さんを奪われなあかんのかっ!」

私は、力尽きて、へたりとその場に座り込むと、声を殺して泣いた



ここに来て、初めて泣いた……………


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「夕蘭」


「伊里早の旦那ぁ~…………」



私は、ひしっと、伊の里早の旦那に抱きついた



旦那は、何度も私の背中を撫でてくれる






あれから、出れないなら伊里早の旦那を出してくれと怒鳴り散らかした


呼ばないなら何日たりとも部屋から出ないと付け足して


それに折れた榊原が、使いの者を出して、伊里早の旦那を連れてきた




そして、今に至る






「うっ………ひっ………ひっく……」


「夕蘭…………我慢してため込まんでええ………吐き出したいなら、吐き出せばええ……無理しぃひんな……」



「うっ………ふっ………」


伊里早の旦那は、力強く私を抱きしめてくれる


「………なんでなん?」

「ん?」


小さく呟いた私の言葉に、旦那は優しく頷き反す


「………ふっ………なんで………澄舞のぁね………さ………死なな………あかんの…………っ、なんで…………あちき………おいて………いきおっ……た?」

「………夕蘭」

「………なんで……………



あちきを……………っひく、



頼ってきぃひんかった…………っ……………」



私は、ずっとずっと



言いたかった言葉を、吐き出した