こちらの作品は私のオリジナル作品です。
他サイトで投稿しているものをこちらで載せています。
盗作では有りません。
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口調と態度が思わしくない?


「口調と態度が思わしくないんわ昔からや、余計なお世話ですわ」

ついついひねくれた言い方でお公美さんに言い返してしまった


しかし、お公美さんは、クスクスっと、気分を害するどころか、笑っていた



「…………何がおかしいんですの?」


私は、笑う意味がわからず、お公美さんに問いた



「口調や態度言うのは、根本的な事を差しているのではありませんよ。


私がお伝えしたかったのは、若旦那に注意するなら、ちゃんと若旦那を見て、本当に心配してますと伝わるようにしなくてはという意味ですよ」




若旦那を見て?


心配してます的な態度?



いまいち言っている意味が解らない


「あの時、若女将は、お汁をすすりながら申していました


本当に心配しているなら、まずはモノを置いて、まっすぐ相手方を見据えて話さなければ、伝わりません」


お公美さんは、実際に身体を動かしながら、言う


「当然のことと思われますでしょうが、若女将は、若旦那の前になると、その当然の事をしなくなるんですよ?


私らの前では、きちんと相手を見て抗議なさるのに、若旦那の時は全く見ようとしません


下を向いたまま、何かをしたまま言葉を発されても、何も感じませんよ?」


そう言いながら、やはりクスクス笑う


「……言いたい事は何と無くわかりやしたが……さっきから、ようけ笑うてるけど、何がそないにおかしいんでしゃろ」



ムスッとしながら、声を低くして問い掛ける

何も感じない?
そら大いに結構
逆に助かるわ

そら相手の目を見て話すのは常識だけど、相手にもよる


お公美さんや他の人達には、つんけんする理由がない
したって、なんにもならないから

逆に、若旦那や大旦那は、自分達の私利私欲のためにだけ、花嫁を適当に選び、澄舞の姐さんを自害に追い込んだ





謂わば仇に値する人達






そんな人と……………



真っ直ぐ目を向けて話すなんて…………




まるで澄舞の姐さんが死んだのは、仕方のないことと認めるようで……………私の心が許さないのだ


確かに私は、ここで『生きる』覚悟はしてきた


澄舞の姐さんの分まで、長生きしてやろうと心に決めた




でも、旦那を慕うつもりは毛頭ない


あくまでも、私らは夫婦というお面を着けた仮のもの


2人の時まで、その仮面を付けたんでは身がもたんし、疲れる