こちらの作品は、以前他のサイトにて載せていた小説になります。
オリジナル作品です。
今は、こちらでしか公開していませんので、似たような内容、人物を見かけた方は、ご一報下さい。
※主人公の名前ですが、てへんに雷の漢字が変換して出て来ない為、『徠』となってます。
「全く、女の癖に男見たいな喋り方しおって……少しは自覚せんかっ、自覚をっ!」
などと小言をいいながら、目の前の大きい黒い椅子に座る。
「あたしがどんな話し方しようとあんたに関係ないやん」
自由になった腕で腕組をしながらいった。
「関係ないだと?
関係ないなら、なぜこんなに請求書の山がわしの所まできてるこの馬鹿娘っ!」
ダンっ!とその請求書の山に拳がめり込む。
「そんなん、あんたがあたしの親父だからに決まってるやん。」
当たり前…と言った感じに言う。
因みにどんな請求書がきてるか教えたろか?
まず電気代、水道代、去年買ったテレビのローン、コンビニ、服代、あと、車のローンに修理代……ああ、あとなんだっけ?ありすぎてわからんようになったわ(笑)
「まったく、社会人になったら、ちゃんとしますからとわしに懇願して独り暮らししたはず、それが。
なぜこんなに毎年毎年請求書の山が届く羽目になる?」
「そんなん決まってるやん。すぐ金がなくなるから払えんのや」
「当たり前にするなっ!このスカっ!」
親父は相当ご立腹なのか、いきなりバターナイフを私の前に投げつける。
「お"わっ!」
ダンっ!と私の左顔ギリギリの所で、後ろの壁に突き刺さる。
その幅約1cm…………。
「あっぶねぇなあ!
あたしを殺す気かあんたは!」
真っ青な顔で親父に怒鳴り付ける。
「安心せい、精々あたっても、目玉のひとつが無くなるだけじゃ」
うわぁ~お。
かなり怒ってます。
こらちと、いや、かなり私が言い過ぎたみたいやね。
「わっ悪かったわ…謝る、だから、今その手にしてる物騒なもん置いて下さい…」
私は後ずさりしながら、いった。
なんせ、反対側の手にはもう一本ナイフが……。
あんなんまた投げられたら確実に危ない…命まではいかなくとも危ない…。
「…まぁいいだろう。わしも、こんなことをする為に呼んだわけじゃないからな」
ストンと親父は腰をおろす。
「この馬鹿娘以外は、仕事に戻りなさい」
親父の一言で、周りにいたいかにも怪しげなおっちゃん達が退室する。
未だ心臓がバクバクしてる。
マジで殺されそうやった。
なんせ親父はナイフ投げの名人やからなぁ……。
でも、ちぃと納得いかん。
金無くなるんは、親父の組員どもが時々押しかけて、飲みまくって帰るからなんやで?
酒は持ってくるが、つまみは持ってきぃひん。
ごつい図体したおっさんら食うつまみはハンパない量なんや。
無くなるんは当たり前やねん。
それをこん親父はっ、
マジ腹立つなぁ。
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