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「確かに自分らで探すんは大変だとハタからみたら思うかもしれんが、遊女が自分で身請け人を探すんは珍しいことなんですよ


他の遊女らは、好き勝手身体を抱かれ、病に犯されながら、相手に気に入られて身請けを強制されてくんが本来の姿


幸せな身請けなんぞ、借金のかたにとられた遊女には夢のまた夢


彼女等も、うちらと同じ人の子なんに、金が絡むと物に成り代わる

世の中不平等な世界ですわ」



「……………旦那」


その時の旦那は、何処か遠くを眺めているかのように、目を細め呟いていた


旦那の言葉は、ずっしりと、心に重くのしかかっている


自分は、若旦那と呼ばれ、不自由なく今を過ごしているが、夕蘭が育ってきた環境は、それこそ赤潮だったからよかったが、他の遊女達の処で過ごしていたら…………私と会うなんてこともなかったし、まして、屋敷から出るなんてことは、叶わなかったはずだ


しんみりとしていると、旦那がゆっくりタバコを練りながら口を開く



「……………話がそれましたが、仮身請けの旦那からは、期間中の金だけもらい、旦那達の監視の元、あの子らは暮らしていくんです

いわばまとめ貸し状態ですな?


期間中ほんまもんの身請け人が決まれば、そのままそこへ嫁ぎ、借金の返済をするんですわ
旦那が行った手続きがそれです


ただ、期間中に見つからなければ、また赤潮に戻り、今までの倍の金額返済を余儀なくされる……………





と、ここまではあの子らにきつく言い付けてる部分なんですが、もひとつ、言ってないこともあるんですわ」



「……………なんです?」





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