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(…………こんなにも旦那達が…………やはり、私も来たほうがよかったのでは…………)


まっすぐ、奥座敷に向かいながらそんなことを思っていた時だ


「…………若旦那?」


名を呼ばれ、足を止めて後ろを振り向くと、赤潮の旦那が立っていた


「これは旦那、お久しぶりです」


私は、笑顔で挨拶をする


「お久しぶりです

今日は、確か大事な取引があってこれないんじゃなかったんですか?」


旦那は、驚きながら問う


それに対し、私は苦笑する

「はい、ですが、少し気になりまして、夕蘭には内緒で短時間ばかりならと足を運びました」



「…………………そう、ですか」

赤潮の旦那が、端切れ悪くそうかえしてくる


「…………なんですか?」

「…………いえ、その、


夕蘭は、あなたに名を呼ばすことをもう許可しているのかと驚きまして」


「…………あぁ

本人のいないときだけです」


旦那の言葉に、私は苦笑を盛らしながら答える


「…………そうでしたか。夕蘭が、無理難題を押し付けて、ほんに申し訳ない」


赤潮の旦那は、深々と頭をさげる

私は、慌てて上げるよう何度もお願いする羽目になってしまった



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