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「言霊は、発動するたびにこのような糸が幾重にも重なって現れるます」


そう言うのと同時に、美姫の手元にあったタコ糸がふわりと宙に浮かび、似たような長さの糸が何本も現れる


小柴自身、特殊能力をもつクラスを請け負う者のため、そのくらいでは驚かないが、いつ言霊を使ったのかわからず、目を見開く


「これらは、通常の人間であれば、本当に弱い言霊ゆえ、時間が経つにつれ少しずつ消えては現れ、消えては現れを繰り返し、周りや自身に影響は与えません


しかし、極稀に…強い言霊をもつ者が発動した言霊が、消えることなく自身や、周りに絡まる事があります


数本ならまだ何もありませんが、幾重にも重なった言霊の糸は、そのうち蚕様が作る『繭』のように身体に巻き付き、正常な考えや行動を蝕み始めます



そして、言霊に包まるた身体は機能を失い、言霊を発令した者の操り人形と成りうる





あの彼女の場合ですと、自分自身の言霊により繭を作っているため下手をすれば、あの寮長という方の身の回りの方が危険な目に遭う可能性が高いです
そして、彼女自身も…己の言霊により、危険な目に…」


「…なんで國橋が?」



國橋の名前が出てきたことに驚き を隠せない小柴



「…彼女は、彼を好いているようですしかし、気持ちが伝わらず、彼を手に入れようと躍起になっているようで……
沢山の言霊を発動しています
しかし、それらは彼に向かうものではなく、彼を慕う他の女子生徒達に向いているようですね

彼の部屋に入った私にまで敵意をぶつけてきました
それと同時に、好かれない自分自身を、卑下しています

自分自身を卑下する言霊の方が強いため、彼女自身が言霊に巻かれている

このままでは……彼女は誤った道を進む運命に直面するでしょう」



言い終わるのと同時に、宙に浮いていた無数の糸が、最初の一本に戻り、ゆっくりと美姫の手の中に戻っていく



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