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「言いがかりではありませんよ

あなたが、若としっかり向き合わないから、どんどん若に疲れが出てくるんです」

「向き合う?あちきはきちんと若旦那と向き合てます」


「ほんとですかい?
それならなぜ、2人になると、あなたは若を見ようとしない?」

「……………」


その言葉に私は黙り込んでしまう

「それだけじゃない

あなたは、若に名前を呼ばせようとしていないそうですね?

呼び違えれば、すぐ怒るとか

しかも寝やでは、夫婦の会話なく、互いに背中を向き合わせて寝ているみたいじゃないですか」



次々と出てくる生活の内容


あの若旦那

自分で解決できへんから、全部この榊原に報告してるな?
とことん使えん男やな…………

私は、深いため息を付き、お茶をすする

「…………それがなんですの?

名は、きちんと教えた名がありんす
それを間違って呼ぶんを、正すんはあきまへんの?

寝やで互いに背中を向き合うんは、仕方ありまへん
横向いて寝るんがあちきのクセ
それがたまたま中向きでなく外向きになっているだけのこと


朝起きりゃ互いに顔向けて寝てます」


私は、声色を強くして早口でまくし立てる


いくら番頭を務めていると言っても、外部の人間には変わりない人に、私らの生活のことまでとよかく言われる筋合いはなかった


「夫婦の会話がないゆうてますが、それなりに話はしてます

あなたにとって、何が夫婦の会話になるんか、あちきにはわかりませんが、余計な詮索をするんはやめていただきたいですな」


「余計な詮索をしてるのは自覚ありますよ

ですが、わかっていて言うのは、若が心配だからです


知ってますか?


若が最近食事に手をあまりつけないのを……………

知ってますか?


最近眠れずに、飲めない酒を煽って帰ってくるのを…………」


「…………………」


榊原の質問に、私は答えず
お茶をすする




知ってはいた


だから、それなりに声をかけたりはしている


だが、食べようとしないのだから仕方ないではないか


酒を煽って帰ってくるのは、男社会じゃありきたり


さほど心配するようなことでもない


バクチや借金さえしてこなけりゃ、別に何をしようが旦那の自由


それをこの人は…………確認するように問う