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「………はぁ~…………」


「どないしましたの若旦那?えらい深いため息なんぞして………」

「八朗………」


仕入れのチェックをしていると、久しぶりにやってきた八朗が、面白そうな顔で問いてくる


「………なんだ、その顔は………」

あらかた想像は出来るが、あえて聞いてみる


「いやぁ~、ため息出るほど、夜は大層激しいのかと」


「ばか言ってんなっ!」


バシンっ


余りの台詞についつい手が出てしまった


「イテっ!ひでぇな旦那」


頭を擦りながら反論する


「だって新婚だろ旦那達は………未だ25と16………性で求めあっちゃうだろ」


「……………安心しろ。


そういった甘い関係は、全く私達の中にはない」


「…………へ!」



私の言葉に、八朗は固まる


「ま、またまたご冗談を………」


「……………冗談ではない。本当のことだ」


むすっとした顔できっぱり断言すると、八朗は唖然とする



「はぁ~…………そりゃまた………珍しいね?遊亭処の出が、全く夜の営みをしないとは…………」

力ない声でそうつぶやいた八朗


しかし、その言葉に少なからず怒りを覚える