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姐さん…………


見てますか…………


うち…………頑張って姐さんの分まで、働いてますぇ?






「若旦那に、ひとつ約束がありんす」





そう言って、旦那に、無理やり蘭の名で呼んで貰うことを了承させた



これは、伊里早の旦那にも、赤潮の旦那にも、了承はとってあること




夕蘭…………この名は…………亡くなった姐さんが着けてくれた謂わば形見



姐さんが亡くなる原因となったこの人達に、馴れ馴れしく呼ばれたくはなかった





「あんたが、遊亭の花嫁かい?ずいぶん厚塗り化粧の花嫁だね」


結納の席で、酒を受けていると、大層大柄な女性が、皮肉を言いながらやってくる

彼女は、大叔父貴の二人目の嫁
この中では権力ある人物だった


「…………それは、すんませんでした。化粧の仕方なんぞ、自分でこんなもんかと得た技術。へたなもんを見せんした」


深々と頭を下げながら言う



そして……………



「…………もしよかったら、わたくしの女の鏡になってくださいますか?お姉様。お姉様のような、気品あるお方が、わたくしの見本になって下さいましたら、それは大変名誉あること。わたくしが褒められれば、それはお姉様という見本があったからこそなしえる極み。お姉様の名が、これを機会に広まって行きます」



にっこり笑う


女の抗争なんて、慣れたもの


私には、なんの意味もない




「あら、そう?そうね、私が…………」



ぶつぶつと呟きながら考えるお姉様


一瞬、脳裏をかすったかしら?出来のいい嫁が出来上がれば、すべて私の教えがよかったから…………と




大半こういった連中が多い



男もそう…………



この逆を演じればいいだけ…………



なんてことない