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カコン………と、桶を床に置くと、深いため息がでてしまう



彼女は、ここに嫁いで来てから、周りには大層気品の良い嫁をもらったもんだと、絶賛を受けている


礼儀作法、立ち居、振る舞い………知的で頭の回転も速く、細かい所に気を配る


頑固で有名な、大叔父貴でさえ、笑顔で褒め讃えるほど……………


しかし、それは……………



『客相手はわっちも同じ。

この世界では当たり前のことでやんす』


すごいと褒めたら、返ってきた言葉


客商売…………



彼女にとったら、嫁いでもここは変わりなく客相手だと…………ズバリ言われてしまった…………





「どうすれば…………いいのだろう…………」


湯に浸かり、ついついぼやいてしまう



結納をあげ、夫婦となったのだから、心から打ち解けた会話がしたい……………



何より、私は彼女を…………初めてみた瞬間から…………好きになったのだから……………


もっと彼女と親しくなりたいと感じている



上辺だけの親しみではなく…





………本当の心がある親しみを…………


夕蘭………


本当は、私もこの名で呼びたいのだ…………


一番近い存在になれた気になる………でも、呼ばせてはもらえず、偽りの名を求められる…………
この婚姻こそが、嘘偽りであるのだと、言わんばかりに…………



何故



彼女は私と一線をしく?



何故



彼女は…………私を、見ようとしない…………