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「………夕蘭、何を見ているんだい?」



ゆっくり部屋に入ると、障子の窓から体を乗り出し、腕をついて外を眺める、夕蘭の姿を見つけて、声をかける

しかし、一切こちらを見ようとはしない

どうしたのかと、問いかけようと、ゆっくり口を開こうとしたときだった


「…………何度も申します。


あちきは、ここに嫁いでからは、夕蘭ではなく、蘭とお呼び下されと、申しましたが………」


「…………あ」


鋭い言葉で言われて、たじろいでしまう







初めて会った日



彼女は、嫁いでからの名を改めて、蘭と呼ぶ事を、強制してきた



私には、まるで呼ばれたくはないと、拒絶するかのように……………





それでも、なんとなく、時折呼びたくて、忘れた振りして名を呼ぶと、先ほどのように訂正されてしまう




「…………すまない、しかし「若旦那は商売は忘れなくても、こいった簡単なことは忘れるんですかいな」………っ!」


話の途中で、夕蘭…………いや、蘭は、力ない声ではいり込み言い放つ