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「はじめまして、伊里早と申します」


「はじめまして、問屋の頭を務めております、十朗と申します。そして、後ろに控えてますのが、若旦那を務めております、伯真(はくま)と申します」


翌日、相手方の大座敷にて、互いに挨拶をしながら、事を進めていく



「では確かに身請け金承りました」


伊里早は、ゆっくり傍らにいた若い衆に預けながら言う


「……………これは、私の勝手なわがままとお受けになって聞いて下さいませんか」


若い衆が席を外すと、伊里早は今までとは違い堅い声色で話す


「…………はい」


「ありがとうございやんす…………若旦那様………」


「……………はい」


名を呼ばれ、伯真はスッと前にでながら返事をする


「…………よう聞きなさいまし………いくら仮の身請け人とは言え、数年あの子の面倒を見てきた私ら…………つまりは、家族も同然……………」


「……………」


「…………言いたい事はわかりますやろ?


いくら遊亭の出であろうと、嫁になったあの子を泣かしたら………
うちらは許しまへん…………

そのような時があったからには……………どうなるか分かりませんからな?」



ぞくり……………



伯真は、伊里早の迫力に、寒気を感じた


「……………後生、大事にいたします…………」



ゆっくり頭を下げながら、答えた


「……………よろしい……………入りなさい。夕蘭」