この小説は、エイブリスにて公開中の作品です。なので盗作ではないので、驚かないで下さい。しかし、著作権は私が持ってます。似たような小説があったら、ご一報下さい。確かめます。

では、ご覧ください。



~Count2~




「そんなに、他人を傷つけて、楽しいですか?」


「…………なに?」


「はぁ?」



私の問いかけに、2人は怪訝な顔をする



「“言葉”は、時にはナイフにもなります


下手に相手に向かって“悪の言葉”を向けるのはお辞めなさい」


「はぁ?意味わかんねぇ


あんたどっかの宗教?頭おかしいんじゃねぇ?」




がっはっはっ!と大口を開けて笑いだす2人


私は、今なら…………と口を小さく開くと、言葉を紡ぐ





《言に潜む力よ

我に力を貸し給え……………》


「あなたたち?」


「をぁ?」

「あ?」






「《今すぐ教室に戻りなさい》」




力の波動は緩やかに、しかし、強く効くように少し強めに言い放つ



「「………!?」」


2人は、ハッとしたように顔をあげると、そのまま回れ右をしてこの場を去っていった




「大丈夫ですか?」


私は、そんな二人を見送りながら、もたれかかる生徒の前まで走る

「……………あんた、だれ?」


なんとか目を開けると、そう説いてきた



「…………誰でもございません

どこか怪我などしてますか?」


「……………ねぇ、

身体中だりぃだけだ……………」



彼は、そういうと、ゆっくり目蓋を閉じる



(やはり、糸に絡まれた身体は根を上げていたか……………)

私は、目を細めながら、内心そう呟く

普通なら見えないが、より強い念や力によって発せられた言葉は、黒い蜘蛛の糸に身を変えて、何重にもその相手に絡む


「《…………言の力よ
この者に絡み付く“糸”を切り離し給え…………》」



目蓋を閉じた彼の額に、右手の人差し指と中指をそっと近付け、小さく唱える



すると、幾重にも絡まっていた糸が、シュルリと解け始め、跡形もなく消えて行く



(あの人、かなり強力な言霊を使っていた

自分で気付けないのは、痛いわね)



完全に無くなったのを確認しながら、内心思う