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「おぅ、若旦那様っ」




「八朗、来ていたのか………」



店に入ろうと幕を上げた時、後ろから声がかかり振り返る


そこには、幼い頃からの友人、八朗が笑顔で立っていた




こいつは、貿易商人で、半月づつ港に寝泊まりをし、かなりの目利きで品を買い付けてくる重宝な男だ




「お前が嫁さん貰うって話をきいちゃ、来ないわけないだろう?」


「…………嫁ねぇ



イマイチ実感わかないね。



っていうか、知らない娘を貰っても仕方ないんだけどなぁ





親父も、何考えてんだか…………」



中に一緒に入りながらぼやく



「そう言うなって


俺にとっちゃあ、うらやましい限りだぜ」



八朗は首に腕を巻き付けながら言う



親父が嫁を見つけたと言ってきたのは去る5日前


跡取り問題勃発により、意地になった親父が、俺になんの相談もなく勝手に決めた縁談だった



「明日、迎えに行くんだろ?」


「ああ、なんでも身請けの女子らしい」


「………身請け?


じゃあ行き先は遊亭処か?」



八朗は顎に手を宛てながら言う