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「なんで私が?

姐さんがなくなったんぇ?

帳消しやないんですか?」


私は、余りの怒りに早口で言い放つ


たった今見送ったばかりで、身請けの話を持ち出すなんて許せんかった



「普通ならな


だが、今回はそういかんのや」




旦那は、困ったように怪訝な顔をしると、うねるように口を開く





「身請け先は、大きな店を構えてるところでな?


名は与論橋屋


殿様が贔屓にされるほどの良品を扱っておる」



「…………それと私が代わりに嫁ぐことと関係ありんすか?」


低い声色で言い放つ



「……………この赤潮を含めて、

身請けなさってくれる事を約束してくださったんだよ」


「……………ここを?」


私は、驚きの声を上げる


「…………知っての通り、赤潮はあんたらの借金を代わりに請け負い、あんたらが招き入れた客の支払いを返済に当てている


しかも、他と違って毎月入るわけじゃない


いい加減、下の子達を食い養う財力がないのさ……………





この赤潮を含めて身請け



それは一生危機に陥る暇がなくなる言うわけや



だから、この話を取り消すわけにはいかん」


旦那は、ゆっくり目を瞑る


「澄舞の代わりに行ってくれ……………頼む



一番澄舞が気に入っていたお前だからこそ頼むのだ……………



わかってくれ……………」



深く頭を下げる