【七飯】町の道の駅「なないろ・ななえ」の浄化槽設備を巡る町の業務管理について調査する町議会百条委員会は4日、公開で会議を開いた。道の駅のトイレの悪臭問題の要因となっている浄化槽の規模の是非について質疑を行い、議論を本格化させた。
 現在設置されている浄化槽は「330人槽」という大きさ。町側は道の駅の建物の延べ床面積に合わせて設定したとし、「一般的な飲食店の床面積の値を想定し、浄化槽の規模を決めた」と説明した。ただその後、当初の想定よりトイレの利用者が増え、排水による悪臭が問題化したことから、委員からは「数値的には標準なのかもしれないが、道の駅は夜にトイレを使う人もいる。条件が足りなかったのではないか」などの指摘が相次いだ。町側は「もう少し配慮が必要だった」と述べた。
 次回は11日に委員会を開き、「330人槽」の規模に決めた経緯などについて町に聞き取りを行う。
 百条委では論点を整理するため①道の駅の浄化槽の規模が適正かどうか②2023年までの浄化槽の法定検査で水の汚れを示す数値が国の基準を上回っていたことへの対策の是非③24年度に実施予定の排水の前処理施設の工期の遅れ―の3点に分けて質疑を行う。
 百条委は関係者の出頭や証言、記録の提出を請求できる強い権限がある。町議会は9月12日に設置し、1、2回目の会議を開き、正副委員長の任命と、町への資料要求を行った。10月2日に追加の資料を要求する3回目を行い、今回が4回目。
( 阿部大地 、鹿内朗代 )2024年10月4日 22:35北海道新聞どうしん電子版より転載

 

・「道の駅」監督不十分 七飯町議会特別委 一般会計決算不認定

【七飯】町議会決算審査特別委員会は25日、2023年度の各会計決算6件のうち、一般会計決算を不認定とした。町が管理する道の駅「なないろ・ななえ」の敷地内の地下に設置したし尿と生活用水を処理する浄化槽について、指定管理者による悪臭対策が不足しており、町の監督が不十分だったとして不適切だと判断した。
 町は23年度に浄化槽の悪臭対策を行う保守業務を町内の業者に委託。委託料は326万1千円で、業務内容は点検24回、浄化槽にたまった汚泥の引き抜き24回、水質検査2回を計画していた。しかし、汚泥の引き抜きは16回しか行われておらず、決算報告では委託料が211万9200円となり、114万1800円の差額が生じた。
 議員側は「町が、責任を持って管理運営をする義務を怠ったことは、あるまじき行為」と指摘。採決では委員長を除く出席委員10人全員が認定に反対した。委員会の審議結果については、今月27日再開の定例町議会本会議で改めて審議する。
 町議会は、排水処理設備工事の遅れといった道の駅の業務管理を巡り、12日に百条委員会を設置した。
( 阿部大地 )2024年9月25日 22:06北海道新聞どうしん電子版より転載

 

・対応遅れの町に不信感 七飯町議会、道の駅排水処理で百条委

【七飯】町峠下の道の駅「なないろ・ななえ」の排水処理設備の工事の遅れを巡り、町議会が12日、百条委員会を設置した。百条委は関係者の出頭や証言、記録の提出を請求できる強い権限があり、設置は極めて異例だ。
 なないろ・ななえは利用者増に伴い、トイレの利用が増えたことで排水が増加し、悪臭が問題となっている。町は2022年度に臭いを外に出す煙突状の「臭突」を設置したが臭いはなくならず、23年の浄化槽の法定検査では水の汚れを示す数値が国の基準を上回った。こうしたことから悪臭対策が不十分だとして昨年、22年度一般会計決算を不認定とした。
 町は本年度、浄化槽に排水を投入する前段階での処理施設を8月末までに整備する計画だった。しかし、「当初の工期の設定が短すぎた」などとし、整備が11月中旬にずれ込むことになった。
 議会側には町の対応への不信感もあるとみられる。ある議員は「百条委の設置まではしたくなかったが、過去の委員会で指定管理者に責任を押しつけるような町の答弁もあり、調査するのに限界があった」と話した。
 取材に対し、杉原太町長は「非常に残念に思う。対応に時間がかかったことは反省しているが、現在対策を進めているところであり、工事完了までこれからも努力を続ける。調査には真摯(しんし)に協力する」と述べた。
 百条委は議長を除く13人で構成。同日、委員長に上野武彦氏を指名し、道の駅に関する会議録や、委託業務の計画などの資料を請求した。委員会は調査の期限を設定していない。
 本会議ではこのほか、23年度の各会計決算6件を決算審査特別委に付託し、休会した。
( 川内晴貴 )2024年9月12日 23:00(10月4日 22:48更新)北海道新聞どうしん電子版より転載