【置戸】人手不足を背景にオホーツク管内など各地の福祉施設で外国人材が活躍する中、置戸でも5月以降、外国人材が相次ぎ介護、看護スタッフに加わり、地域を支えている。「特定技能」や「技能実習生」で、施設側は期間後も長期の勤務を期待。町は人材定着へ新たな補助を設けて後押しする。

 町中心部にあるグループホーム「はなおけと」。5月下旬から、ミャンマーのヤ・ミン・ズォーさん(23)とジン・ミ・ミ・トゥンさん(24)の2人が特定技能の介護士として働く。施設には70~100歳代の18人が暮らし、入浴や食事介助を始め幅広い任務を行う。

 2人は「上司がきちんと教えてくれる。休日は介護や日本語の勉強をしている。介護福祉士の資格を取りたい」と話す。丸子智也施設長は「若い介護力を確保しようと外国人を採用した。意欲が高く良かった」と喜ぶ。

 置戸赤十字病院でも7月から、ミャンマーの2人が特定技能の看護助手として働く。

 また、特別養護老人ホーム「緑清園」では6月中旬から、ベトナム出身のグエン・ゴック・スアン・ホアさん(21)とフイン・ティ・キム・アインさん(19)の2人が技能実習生として働き始めた。シーツ交換、車いす介助など少しずつ業務を覚えている。

 ホアさんは「仕事は少し大変」と言いながらも「置戸は静かで近所の人は親切」と笑顔。アインさんは「(ベトナムでは)祖父母にお茶を入れると喜んでくれた」と、施設でも懸命に取り組む。

 太田和利業務課長は「この2年は新卒採用ができず、外国人の方にもお願いしようと考えた」。2人は素直で人柄も良く、施設側は基本3年の実習期間後も勤務継続を期待する。

 町は6月議会で「置戸町介護人材確保対策事業補助金」の補正予算案250万円を新たに計上し、可決された。賃貸住宅の家賃や、登録支援機関に支払う経費の一部を支援する。深川正美町長は「高齢化が進む町では多様な人材を確保していかねば」と力を込める。

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はなおけとで、入所者と漢字のパズルをするジン・ミ・ミ・トゥンさん(左)

2024年7月31日 18:07(7月31日 19:46更新)北海道新聞どうしん電子版より転載