“第3の聴覚経路” 都内の学校で「軟骨伝導」の体験学習 | NHK | 東京都

 

耳の軟骨の振動を通じて音を聞く「軟骨伝導」の仕組みを体感してもらおうと、都内の中等教育学校で体験学習が行われました。

体験学習が行われたのは、東京 文京区にある都立小石川中等教育学校で、「軟骨伝導」の仕組みを発見した奈良県立医科大学の細井裕司学長が生徒たちに説明しました。

この中で細井学長は、「軟骨伝導」とは耳の入り口付近にある軟骨の振動を通じて、生じた音源が鼓膜を介して聞こえるなどと述べ仕組みを説明しました。

そのうえで、空気の振動を鼓膜を通じて聞く一般的な聞こえ方や、頭蓋骨の振動を介する「骨伝導」とは異なる聴覚の第3の経路で、耳の構造に障害のある人にも音を伝えられるなどとわかりやすく解説しました。

また「軟骨伝導」の体験では、開発した音響システムを使って、体育館の床に歌声や朗読の声、鳥のさえずりなど、さまざまな音を振動にして響かせました。

生徒たちが床に耳を押し当てると、かすかにしか聞こえなかった音が鮮明に聞こえるようになり、「軟骨伝導」を介して音が聞こえる仕組みを体感しました。

参加した中学2年の女子生徒は「音の聞こえ方が3種類あることに驚きました。実際に自分の耳で聞けると思っていませんでしたが、臨場感のある音でとても楽しかったです」と話していました。

細井学長は「今回の経験をきっかけに、科学技術のおもしろさや新しいものを発見して、活用していく姿勢を感じ取ってもらいたい」と話していました。

2024年7月12日 18時46分NHK NEWS WEBより転載