函館市はデジタルを活用して解決してほしい医療や福祉、子育てなど10分野の地域課題を募集している。官民でつくる市デジタル変革推進プラットフォームで解決策を話し合い、実証実験を経て実用化を目指す。
 市は昨年度、企画部に地域デジタル課を新設し、市デジタル変革推進ビジョンを策定。今回の取り組みは同ビジョンに沿った初の事業となる。
 募集している分野はこのほか、交通や防災、教育など。例えば町会役員の高齢化であれば「オンライン会合や会費徴収のキャッシュレス化で働く世代の参加を促す」といった解決策が見込まれ、こうしたアイデアを大学教授や経済団体職員らで構成する同プラットフォームで練る。
 地域デジタル課は「気になる課題があれば気軽に寄せてほしい」と呼びかけている。市のホームページのフォームなどから応募できる。問い合わせは同課、電話0138・21・3627へ。

2024年7月5日 19:34(7月5日 19:51更新)北海道新聞どうしん電子版より転載

 

・高齢者の健康データ提供 函館「おでウェル」研究機関や企業に

 高齢者に買い物と健康づくりを促す函館朝市発祥の取り組み「おでかけウェルネス」(おでウェル)の推進協議会(函館)は本年度、参加者の健康データを研究機関や企業へ有料で提供する取り組みを始めた。
 おでウェルは函館朝市とベルクラシック函館(梁川町)の市内2カ所で実施。理学療法士や管理栄養士らが月3~4回、体操教室や、健康について学ぶ講座を開き、参加者は回数に応じて近隣商業施設の商品券を受け取る仕組み。
 本年度始まったデータ提供の相手は鹿部町出身の藪脇健司・東北福祉大教授(作業療法学)。6月13日から4回にわたり、おでウェルに参加する高齢者計41人の承諾を得て、認知機能の検査や歩行速度の測定を行い、運動習慣や最近の体調を聞き取った。
 藪脇教授は加齢などが原因で心身の働きが弱くなるフレイル(虚弱)の改善に望ましい生活環境について研究している。「おでウェルの参加者は日ごろから活発に動く人が多いと聞く。良いデータが収集できると思う」と語る。
 同協議会の松田悌一代表理事は「社会課題の解決に貢献しているという意識を持てる面でも、参加者のモチベーション向上につながる」と期待を寄せる。

2024年7月5日 19:29北海道新聞どうしん電子版より転載