札幌市は7月から、エアコンがある市内の公共施設22カ所を「クーリングシェルター(避難所)」に指定した。市内の「暑さ指数」が35以上になる可能性がある場合、市の公式ラインに「札幌版熱中症特別警戒アラート」も発表するなど、暑さ対策を強化している。
 クーリングシェルターは、4月に施行された改正気候変動適応法に基づき、熱中症対策として各自治体で指定できる。市内では全10区の区民センターや図書館など計22カ所を指定。多くの施設には誰でも休憩できる待合スペースがあり、土日の利用も可能という。
 市消防局によると、熱中症の救急搬送人数は増加傾向にあり、2023年はこれまで最多だった21年を214人上回り、過去最多の562人に上った。背景には、市内の最高気温が23年8月23日、観測史上最高の36.3度になるなど、記録的な猛暑があるとみられる。


 市は、暑さ指数が35以上になる予報が出た場合、市公式ラインに「札幌版熱中症特別警戒アラート」を発表し、暑さへの注意を呼びかける。国の「熱中症特別警戒アラート」は、道内の観測地点すべてで暑さ指数が35以上にならないと発表されないため、市が独自にアラートを配信する。
 札幌管区気象台が発表した7~9月の3カ月予報では、道内の気温は平年より高くなる見通しで、昨年同様、厳しい暑さになる可能性があるという。
 市環境政策課は「クーリングシェルターや市公式ラインのアラートを活用しながら、暑さに備えてほしい」と呼びかけている。公式ラインのQRコードは、市ホームページにも掲載している。

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2024年7月4日 22:51北海道新聞どうしん電子版より転載