札幌大(札幌市豊平区)の柔道部員4人が4月以降、違法と認識しながら大麻とみられるものを所持したとして、道警は4日までに麻薬特例法違反(所持)容疑で部員1人を逮捕、残る3人を書類送検した。捜査関係者などへの取材で分かった。4人は既に退部し、柔道部は6月中旬まで活動を約4週間自粛した。札大はこうした事実を公表しておらず、同大事務局は「道警の捜査への影響を考慮した」と説明している。
 札大柔道部は昨年の北海道学生柔道体重別団体優勝大会で優勝し、3連覇を果たすなど道内強豪として知られ、全国大会の常連。現在は部員約70人が所属している。
 捜査関係者によると、4人は自ら使用する目的で大麻とみられるものを所持した疑い。いずれも容疑をおおむね認めているという。
 複数の札大関係者によると、4人は1、2年の男子部員。5月20日にそれぞれ道警に任意で事情聴取された。大学側の聞き取りに対し、4人は大麻の使用を認めているという。1人が入手した大麻を他の3人の部員にも渡したとみられるが、入手経路などは大学の調査で明らかになっていない。4人のうち、3人はすでに自主退学している。
 柔道部は事態を受け、5月21日から6月16日まで練習を中止。6月22、23両日に東京で開かれた全日本学生柔道優勝大会に出場しなかった。
 札大事務局は事実を公表していなかったが、「重大な事案だと認識している」と話している。
 大学運動部と薬物を巡っては、日大アメリカンフットボール部で昨年、部員が違法薬物を所持した疑いで相次いで逮捕、書類送検され、同部は廃部となった。道内では今年、自生する大麻草を乾燥させ所持した疑いで帯広畜産大の学生と卒業生の計3人が逮捕された。

2024年7月5日 4:00北海道新聞どうしん電子版より転載