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65歳以上の運転免許証の自主返納を促すため、企業が商品の割引などで協力する支援制度が札幌圏で広がりを見せている。札幌や小樽、岩見沢などの12市町村が2020年4月に始めた同制度は本年度で5年目を迎え、当初4社だった協力企業は今月、30社に達した。札幌市などはさらに協力を求め、運転に不安を抱える高齢者の自主返納を後押ししたい考えだ。
 制度は石狩管内8市町村と小樽市、岩見沢市、空知管内南幌町、同管内長沼町でつくる「さっぽろ連携中枢都市圏」で実施。当初はイオン北海道やコープさっぽろなど4社から始まった。
 30社の中にはタクシー乗車料金を1割引きにしたり、商品の配達料を安くしたりと、免許返納で不便になると見込まれる移動や買い物に関する特典もある。利用には運転経歴証明書(手数料1100円)が必要となる。
 道警によると、23年の全道での運転免許証自主返納件数は65歳以上で1万3966件。過去10年では、東京・池袋で高齢ドライバーの暴走事故が起きた19年が2万674件と最も多かったが、年々減少。事故の記憶が薄れつつあることや、新型コロナウイルス感染対策でマイカーの運転が増えたことが一因とみられる。
 市は協力企業を増やすため、登録の呼び掛けや、道の同様の取り組みに登録した企業への声かけなどに力を入れる。市区政課は「免許返納後の生活が不便にならないようにして、悩んでいる高齢者の免許返納を後押しできれば」としている。
 協力企業の登録は同課、電話011・211・2252へ。

2024年6月26日 22:57(6月26日 23:35更新)北海道新聞どうしん電子版より転載