札幌市が市内の男女を対象に実施した人口減少問題に関する2023年の調査で、「子どもは欲しくないと考えている」と回答した独身男女がともに約35%に上り、18年に行った前回の調査より15ポイント増えたことが分かった。価値観の変化や収入の少なさが背景にある。
 市がまとめた人口減対策の素案で明らかになった。市が昨年8月に市民を対象にアンケートを行い、うち独身の男女計1541人から回答を得た。希望する子どもの数を尋ねたところ、「子どもは欲しくない」との回答が男性は36.0%、女性は35.3%を占めた。
 独身でいる理由を聞いた設問では、男性は「出会いがない」が14.4%、女性は「適当な相手にめぐり合わない」が15.5%で最多。男女ともに「自由さや気楽さを失いたくない」とする割合が前回調査より増えたほか、男性は「金銭的ゆとりがない」、女性は「結婚する必要性を感じない」との回答も増加が目立った。
 市の担当者は「出産・育児に前向きな気持ちを持ってもらえるように、まずは子どもを産みたい家庭が希望通りの人数の子どもを持てる社会を目指したい」としている。

2024年6月25日 22:28(6月25日 22:35更新)北海道新聞どうしん電子版より転載