【滝川】新聞や書籍などを読んでカセットテープに録音し、目の不自由な人へ届ける、滝川市朗読赤十字奉仕団「ボイス空知」が結成30周年を迎えた。6人のメンバーはいずれも70~80代と高齢化が進むが、平川孝子会長(84)=美唄在住=は「健康に気を付けて少しでもいいテープを提供できれば」と意欲を示している。

 同会は滝川市の婦人ボランティアで市の広報をテープに吹き込んでいたグループが母体。視覚障害者の人から、本や新聞なども読んでほしいと依頼があり、1994年6月、5人ほどで「ボイス空知」を結成。2003年に滝川市朗読赤十字奉仕団「ボイス空知」となり、活動を続けている。

 現在は月に2回、録音設備がある市教育支援センターに集まり活動。新聞のエッセーや小説を吹き込む「ヨムヨムクラブ」と新聞から地域の身近なニュースを読む「ボイス空知」の2種類を収録し、それぞれ90分のカセットテープにまとめる。月末に約20人の中空知などの利用者へ無料で発送している。ほかにも、滝川市社会福祉協会だよりや北海道身体障害者新聞などの吹き込みも行っている。

 メンバーは朗読ボランティアを始めてから、カルチャーセンターや放送局が開く朗読講座などに通うなど研さんを続けてきた。「話すように読むようにと教わるが、どうしても力が入ってしまう」と話す。

 コロナ前はテープを利用している人の地域に出向いて「集う会」を実施していたが、コロナ禍で中止に。平川会長は「利用者がどのようなものを望んでいるのかが分かりにくくなりました」と悩みを打ち明ける。

 利用などの問い合わせは平川会長、電話0126・63・3538または山本さん、電話0125・24・6536へ。

新聞や本を読んで収録を行う滝川市朗読赤十字奉仕団のメンバ

2024年6月24日 18:20(6月24日 18:24更新)北海道新聞どうしん電子版より転載