【浜頓別】慢性的な欠員が続いてきた町の学校給食センターと町国保病院の調理施設で、「特定技能」の在留資格を持つミャンマー人4人が昨年採用され、給食業務を支えている。町は今後、ミャンマー人の人材採用が増えるとみて、8月に同国出身の国際交流員を初めて採用する。

浜頓別町の学校給食センターに勤務するハンさん(左)とティンさん
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町国保病院で調理員として勤務するスさん(左)とテッさん

■「覚え早く勤勉」「雰囲気明るく」
 町は、人材マッチングサービスを手がける「トクティー」(東京)を通じて4人を採用。同社によると、「外食産業やホテルからの要望は多いが、自治体の給食施設の調理員として特定技能の外国人材を求めるケースは珍しい」と言う。
 4人は町の会計年度任用職員として、昨年12月から勤務する。学校給食センターで働くのは、ティン・シュエ・ジンさん(21)と、ハン・タ・ウォさん(19)。ともにミャンマー中部バゴーの出身で、主に野菜などの食材を洗ったり、食器類の洗浄などを担当する。
 ティンさんは地元の大学で数学を専攻していたが、新型コロナの感染拡大で大学に行けなくなり、中途退学して日本で働くことを選んだ。ハンさんもコロナ感染拡大の影響で高校を途中で辞め、日本行きを決めた。ティンさんによると、バゴーでは治安が良い日本で働きたい若者が増えているという。町教委の相野山正成教育次長は「当初は言葉が通じず業務に支障が出るのではないかと心配があったが、覚えが早く、勤勉なので問題がない」と話す。
 町国保病院では、テッ・モン・ザオさん(23)とス・ピュエ・サンさん(22)が調理員として働く。バゴー出身で地元の大学で学んでいたが、コロナの影響で日本で働くことにしたという。2人は調理も行う。スさんは調理経験が少なく最初は苦労したが、今は楽しく仕事ができると話す。町国保病院の久保田恵三事務長は「常に笑顔を絶やさず、職場の雰囲気を明るくしてくれる」と喜ぶ。
 町では、4人の働きぶりから町国保病院の看護助手に特定技能のミャンマー人2人の採用を決めた。町内の介護施設や酪農関係でも増えるとみており、8月に採用するミャンマー人の国際交流員に通訳業務などを担ってもらう。

2024年6月20日 19:38(6月20日 23:19更新)北海道新聞どうしん電子版より転載