【釧路】妻に暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死の罪に問われている北見市の無職小林繁哉被告(93)の裁判員裁判初公判が19日、釧路地裁(井草健太裁判長)であった。小林被告は暴行について否定し、「(妻は)私の目の前で倒れ、20分もたたないうちに息を引き取った」と起訴内容を否認した。
 起訴状などによると、小林被告は2022年11月26日、北見市内の自宅で、妻の一子さん=当時(91)=の頭や顔に強い衝撃を加え、首の骨を折って死亡させたとしている。
 冒頭陳述で検察側は、一子さんに日常的に暴行を加え、特に認知症の進行に伴って「暴行は年々多くなった」と指摘。事件直後の被告の手に傷があったことから、手で殴るなどして死亡させたと主張した。
 弁護側は、一子さんは転倒して体を強く打ったとした上で、暴行があったとしても介護の疲労が蓄積しており、「被告に責任能力はなかった」と無罪を主張した。

2024年6月19日 21:35北海道新聞どうしん電子版より転載