就活 若手社会人に聞く“働くことのリアル”仕事は怖い?楽しい?やりがいは?大変なことは?働いてみて気づいたこと|NHK就活応援ニュースゼミ
若手社会人に聞く“働くことのリアル”(2) 仕事は怖いと思っていたけど…
2024年06月14日
就活を始めたばかりのみなさんは、“仕事”にどんなイメージを持っていますか?
今は頼もしく見える先輩たちも、就活生のころはあまり仕事に前向きではなかったようです。
社会人3年目の先輩4人が本音で語る座談会、2回目のテーマは「仕事のイメージ、働いてみてどう変わった?」です。
就活時代の「仕事」に対するイメージは?
みなさん働き始めて3年目になりますが、学生の時は「仕事」についてどんなイメージを持っていましたか?
私は両親が働く姿を見ていたので、仕事は大学を卒業したら当たり前にやる、義務的なものだと思っていました。
私も「仕事は誰もがやらなければいけないもの」と考えていて、そこにはポジティブもネガティブもありませんでした。
私は希望する生活水準を満たすために必要なものと思っていました。もし家族を持った時に“自分と同じように育ててあげられるくらいの生活水準”を満たすために仕事をする、という感じです。
私は正直に言うと、仕事はすごく怖いものだと思っていて、かなりネガティブに捉えていました。
どうして“仕事が怖い”と思っていたんですか?
ニュースで「耐えられなくてやめてしまった」とか「上司や仕事内容が合わない」といった情報を見ているうちに、自分も仕事はうまくいかないのかなと不安に思っていました。
SNSでもマイナスの声が取り上げられやすいですよね。就職活動に対してはどうでしたか?
就活に対してもすごくネガティブでした。仕事を頑張ろうっていう気持ちは就活生の時はあまり持っていなかったです。
ちなみにみなさん、社会人になることについてはどう考えていましたか?
私は結構ポジティブでした。キャリアウーマンが活躍する映画が好きなので、私もこんなふうになりたいなと思っていました。
私も、使えるお金がすごく増えるという点ではポジティブでした。趣味に使えるお金が学生の時とは桁違いだなと思っていました。
私はやっぱり不安のほうが圧倒的に大きかったです。大学生の時は昼過ぎに起きるような生活を送っていたので、社会人になって毎朝起きるのって難しそうだなって思っていました。
実際に働き始めてみると?
では、みなさん実際に働き始めて、仕事への考え方って変わりましたか?
私はすごく変わりました。
実際社会人になってみると、理不尽に怒られるようなこともないですし、周りの上司や先輩と一緒に協力しながら仕事を達成していくことが、自分にとっては想像していなかったほど面白かったです。
テレビやSNSで見たような怖い先輩はいませんでしたか?
全然いなかったです。
よかったです(笑)
すごい変化ですが、どうしてだったんでしょうか?
人に恵まれたというのは大きな要因だと思います。新人の時に分からないことをたくさん質問していたら、その積極性を買ってもらえて、そのおかげでどんどん前向きに取り組めました。
私も働き始めて仕事への考え方は変わりました。義務的なものだと思っていたけど、仕事でいろいろな経験を経て今の私の生活がよりいいものになっているので、働いていてよかったなと今は思います。
デーデさんはいかがですか?
私は働いてみて、大きくは変化していないっていうのが正直な感想です。生活水準を維持するために、生きるためにやらなければいけないというのが根底にありますね。
私も生活水準を保つためのものとしては変わらないんですけど、働いてみたら意外と楽しくて、そんなに難しくないものだなっていう印象になりました。
ぐみさんは、働かなくても希望通りのお金がもらえるとしたら仕事はしないですか?
仕事のレベルは変えるかもしれないですけど、続けると思います。仕事をしていると「ちゃんと生きてるな」って感じがするので。
どういうことですか?
朝起きて、仕事に行って帰ってっていう「ちゃんとした生活を送っているな」という意味です。休日とかに1日中寝ていると「今日はいったい何をしていたんだろう」って虚無感を感じちゃうので(笑)
強制的に規則正しい生活を送るっていう意味では、仕事はいいものだと思います。
先輩たちが感じる「仕事のやりがい」
続いての質問です。みなさん、今の仕事にやりがいはありますか?
やりがいはあります。私は営業を担当しているので、自分の頑張りが営業の売り上げに反映されたときは非常に感じます。
あとは、上司や先輩に「よくやったね」と褒められると、すごくうれしいです。
私は、右も左も分からなかったことをすごく落ち着いてこなせるようになった時など、成長を感じた時にすごくやりがいを感じます。
あとは、私が携わっている製品を街で見かけた時に、自分の地道な仕事がこういうところにつながっているんだなって実感します。
デーデさんは新卒でスタートアップの会社に入社しましたが、どんなやりがいがありましたか?
コンサルティングの期間が終了したタイミングで、お客さんから「ありがとう」って言われて仕事で使える参考書を頂いたことがあるんです。
入社1年目から1人で行って、クライアントさんと二人三脚で頑張っていたので、かなり苦しい時期もあったんですけど、自分のできる事を精いっぱいやってよかったなって思いました。
お礼の品をもらったんですね。とても感謝されていたのが伝わる、貴重な経験ですね。
そうですね。大手だと1年目の社員1人にすべて任せるということはないと思うので、スタートアップだからこそできた経験かなと思います。
私は、信頼関係を築けた時にやりがいを感じます。
2、3年目に入ってからは、仕事相手の方に「私なら任せてもいい」って思われていると感じる時があります。
「あなたなら任せてもいい」って、営業職からすると一番うれしいことですよね。
担当者がかわっても、前の担当の私に問い合わせがあったときなど「私に聞きたいと思ってくれたんだな」というのが伝わるのですごくうれしいです。
社内調整、勉強… 仕事で大変なことって?
逆に、みなさん仕事で大変なことはありますか?
私は「社内調整」が一番難しいなと、社会人になって思いました。
何か1つやりたいと思った時に、アルバイトでは店長が「いいよ」と言えばすぐできたんですが、会社では上司のさらに上司のさらに上司の承認が必要なので、やりたいと思った瞬間にすぐ行動に移せないのは難しいなって思います。
私も上の上の人に動いてもらうための資料を一生懸命作っていると、この資料、本当に必要なのかなと感じることは結構ありますね。
大きい組織あるあるかなと思いますが、デーデさんは前職でこういう悩みってありましたか?
いや、ないです(笑)
というのも、上の上の上の人っていうのがいなかったです。スタートアップなので距離も近くて、1年目で社長と一緒に社内プロジェクトをやることもあったのでそこは大手とかなり違うと思います。
いきなり社長と…!?
すごい…
社長と毎朝ミーティングをしていましたね。
逆にスタートアップだからこそ大変だったことはありますか?
良くも悪くも自分にとってかなり難しい仕事を振られます。振られた以上は成果を出さなきゃいけないので、それはかなり大変でしたし、人が少ないので先輩に頼るのも難しかったです。
大手に転職して大変さは解消されましたか?
いまは比較的年の近い先輩もいるので、ちゃんと頼れる人がいるなとは感じています。
私は金融関連の資格の勉強が大変でした。入社前から勉強するんですけど、最初は漢字の羅列を読むことも大変で、理系のときはそんなことしていなかったので「漢字だ…」と思いながらやっていました。
理系の人でも、金融の勉強はなんとかなりますか?
もうホント「慣れ」だと思います。最初はパンクすると思うんですけど、知ってる言葉も徐々に増えていくので、最終的には分かるようになると思います。
さきほど「この資料、本当に必要なの?」という話がありましたが、みなさん無駄な仕事ってあると思いますか?
資料作成の経験は必要だと思いつつも、やっぱり残業してまで作っているときは、疲労も相まって無駄だと思ってしまう時はありますね。
私の会社も古いと感じる部分はあるので、このはんこを押している時間って何なんだろうとか、無駄だなと思う作業は少しあります。
ちょっと非効率的に感じるということですね。
私も、特に1年目の頃は「何でこれをやっているんだろう」と思うことはかなり多かったです。
でも、3年目の今になってその経験が役に立つときが結構あるので、今はやってよかったなって思います。
年次によって考え方も変わっていきそうですね。
座談会の内容は、6月1日放送『ラジオで開講!NHK就活応援ニュースゼミ』でもお伝えしました。
次回は、みなさんの“入社後のギャップ”を深堀りしていきます。近日公開予定です。
2024年06月14日NHK NEWS WEBより転載