【三笠】市の発展を支えた炭鉱の跡を巡り、写真に収めるイベントが16日、市内で開かれた。道内各地から写真愛好家が集まり、構図などを考えながら独自の視点でシャッターを切った。
 イベントは三笠ジオパーク推進協議会主催。4年目の開催で20人が参加。道内最初の近代炭鉱として1879年(明治12年)に開鉱した旧幌内炭鉱の変電所や石炭を運び出していた坑口付近を歩いた。
 参加者は講師の写真家渡辺真弓さん(札幌市)からアドバイスを受け、建物全体が収まるよう広角レンズを使ったり、望遠レンズで一部をアップで撮影するなど構図を工夫。被写体は歴史的建造物が多いため、「ノスタルジック感を出したい」と撮影モードをモノクロにする参加者もいた。
 日高管内様似町から参加した佐々木敏(さとし)さん(72)は「普段は動物などを撮っているが、建物の雰囲気をうまく表現できれば」と熱心に撮影していた。

旧幌内変電所内でこだわりの一枚を撮影しようとアングルを工夫しながらレンズを向ける参加者たち

2024年6月16日 18:21(6月16日 19:05更新)北海道新聞どうしん電子版より転載

 

・炭鉱遺産を巡り開拓の歴史学ぶ 三笠でジオツアー

【三笠】市内の炭鉱遺産などを巡るジオツアーが11日開かれ、参加者18人はバスと自転車に分かれ、石炭採掘を中心に発展を遂げてきた北海道開拓の歴史を学んだ。
 市などでつくる三笠ジオパーク推進協議会主催。バスツアーでは協議会が認定したジオガイドの坂井正己さん(75)が案内役となり、日本遺産「炭鉄港」の構成文化財である旧空知集治監のれんが煙突や旧幌内炭鉱、旧奔別炭鉱などを巡った。
 れんが煙突の解説で坂井さんは「明治15年(1882年)に開庁した旧空知集治監は、北海道初の近代炭鉱である幌内炭鉱で囚人たちを働かせるために作られた。総理大臣経験者が4人も幌内炭鉱の視察に来ており、国を挙げた事業だったことが分かる」などと話した。
 東京から参加した自営業山本英(あきら)さん(32)は「炭鉱の歴史に興味があった。詳しい解説を聞きながら炭鉱遺産を見ることができ、すごく理解が進んだ」と話していた。

ジオガイドの坂井さん(中央)の案内で、旧幌内炭鉱変電所を見学するツアー参加者

2024年5月11日 20:19北海道新聞どうしん電子版より転載