群馬県桐生市が生活保護費の一部を支給していなかった問題に絡み、学者らでつくるグループは14日、桐生市で記者会見し、市が受給希望者からの相談段階で、金銭管理を社会福祉協議会やNPO法人に任せるよう促していたと指摘した。
 グループによると、受給者への聞き取りで判明した。生活保護費の受給後は本人の同意を得ないまま、NPO法人に預けた資金の一部が借金返済に充てられた例もあった。グループの団長を務める井上英夫金沢大名誉教授は「受給者の自由意思を無視している」と批判した。
 市の福祉課は「支給開始時に金銭管理団体を紹介したことはあるが、決定前に紹介したり、強制したりすることはない」と否定している。
 桐生市では昨年11月、群馬司法書士会の指摘で生活保護費の分割支給が判明。市福祉課の調査で、2018年4月~昨年11月に11世帯14人に月の保護費満額を支払わず、計約67万円が不支給だったことが明らかになっている。

群馬県桐生市役所で記者会見する井上英夫金沢大名誉教授(中央)=14日午後

2024年6月14日 21:00(6月14日 21:22更新)北海道新聞どうしん電子版より転載