2026年3月末に閉校する留辺蘂高(北見市留辺蘂町)の生徒募集停止を受け、市内唯一の総合学科を構える同校が行ってきた特色ある教育活動を、近隣の北見緑陵、北見工業、訓子府、置戸の4高校が引き継ぐ取り組みが始まっている。各校が「国際理解」や「福祉」、「保育」など7分野8テーマを本年度から分担。このうち北見緑陵では「家庭」の一環で、留辺蘂町特産の白花豆を通じ、生徒が地域の食材への理解を深めている。

2026年3月末に閉校する留辺蘂高(北見市留辺蘂町)の生徒募集停止を受け、市内唯一の総合学科を構える同校が行ってきた特色ある教育活動を、近隣の北見緑陵、北見工業、訓子府、置戸の4高校が引き継ぐ取り組みが始まっている。各校が「国際理解」や「福祉」、「保育」など7分野8テーマを本年度から分担。このうち北見緑陵では「家庭」の一環で、留辺蘂町特産の白花豆を通じ、生徒が地域の食材への理解を深めている。

 道教委は、22年9月に公表した23~25年度の公立高校配置計画で、23年度募集停止が決まっていた留辺蘂について、地元の要望に加え、同校の「特色ある教育活動の一部を近隣校に引き継ぐため」として停止を1年延期。同校と共通・関連する学びを実践しているとして昨年10月、引き継ぎ先を決めた。

 北見緑陵は白花豆を題材にした留辺蘂の授業を参考にし、今年5月9、17の両日、地元農家らでつくる「るべしべ白花豆くらぶ」事務局の須藤哲史さんが講話。2日間で2年生約20人が白花豆の歴史や作付面積などを学んだ。28、29の両日には同校でプランターに白花豆の種をまいた。

 今後は白花豆のレシピづくりや収穫のほか、道内の高校生が地元特産品を生かした料理を出品する「高校生チャレンジグルメコンテスト」にも応募する予定だ。

 原口紗綾(さや)さん(16)は「白花豆は地元の人も知らないことが多いと思う。育つのに手間がかかるということが分かり勉強になっている」と笑顔で話した。担当の平子実里教諭(32)は「生徒たち自身が育てることで食材を深く知り、新たな発見にもつながる授業にしたい」と意欲を見せた。

 このほか、置戸は以前から取り組んできた常呂川での生態調査を続けながら引き継ぎを進める。北見工業、訓子府も具体的な授業内容を今後詰める予定だ。

 

2024年6月12日 23:22(6月12日 23:31更新)北海道新聞どうしん電子版より転載