【恵庭】生活困窮者が食料品などを自由に持ち帰りできる、道内初の「コミュニティフリッジ恵庭」が10日、フレスポ恵み野(恵み野里美2)内にオープンした。運営するNPO法人「まちづくりスポット恵み野」(まちスポ)は「恵庭を皮切りに活動が全道へ広がり、多くの人の生活が少しでも楽になれば」と期待する。一方、運営の継続には地域の協力が不可欠で、活動の周知や物資提供の呼びかけに力を入れていく考えだ。
 北海道初「公共の冷蔵庫」恵庭に開設 食料や日用品、生活困窮者らに提供
 まちスポ横の部屋に置かれた業務用冷蔵庫には、パックに小分けされた米や生麺、ゼリー、冷凍のカット野菜などが並ぶ。向かい側の壁の棚にもレトルト食品、お菓子などの食品のほか、シャンプーにティッシュ、生理用品などの生活用品が陳列されている。
 品物は一つずつバーコードで管理され、利用者は店のレジのようにバーコードを読み取ることで、品物を持ち帰れる。
 利用できるのは就学援助や児童扶養手当の受給者と市内の外国人技能実習生だが、将来的には生活に苦しむ1人暮らしの学生らへも対象を拡大したい考え。秋をめどに24時間対応可能な体制を目指すほか、扱う品も衣類や学用品などへと広げていくという。
 まちスポは社会の課題解決と地域コミュニティー活性化を目的に、2015年に設立。昨年からフードバンク事業を始めたところ、利用者から「使っているのを他人に見られたくない」「日中の来所が難しい」などの声を受け、無人運営で、いつでも利用可能なコミュニティフリッジの開設を決めた。

「フレスポ恵み野」内にオープンした「コミュニティフリッジ恵庭」
 一方で、物品のほとんどは「フードプレゼンター」と呼ばれる企業有志や個人からの寄付で、冷蔵庫も業務用冷蔵庫製造のフクシマガリレイ(大阪)から無償提供だ。事業を担当するまちスポ事業コーディネーターの豊島潤さん(57)は「運営を続けていくには、多方面の理解と協力が欠かせない。地域でつくる『みんなの冷蔵庫』として、物資提供などを呼びかけ続けていく」としている。登録や物資提供などの問い合わせはまちスポ、電話0123・39・2232へ。

利用者(食料品・日用品の寄付を希望される方)ご登録フォーム – 認定NPO法人まちづくりスポット恵み野 (communityfridge.jp)

 

2024年6月10日 22:05北海道新聞どうしん電子版より転載