自宅で同居する父親に暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた札幌市南区、クリーニング工場作業員土田龍太被告(32)の裁判員裁判初公判が10日、札幌地裁(吉戒純一裁判長)であった。土田被告は起訴内容を認めた。
 起訴状によると、土田被告は今年1月2~3日、父英行さん=当時(56)=の脇腹や背中を複数回殴る暴行を加え、外傷性ショックで死亡させたとしている。
 冒頭陳述で検察側は、英行さんは認知症を患っており、土田被告が認知症の進行予防に取り組まなかった英行さんに腹を立て、暴行を加えたと主張。弁護側は土田被告の母親やきょうだいに処罰感情がないことから、刑を軽くするよう求めた。
 土田被告は被告人質問で、英行さんの認知症の進行が想定より早かったことから「いらいらして手を出してしまった。後悔している」と述べた。

2024年6月10日 19:49北海道新聞どうしん電子版より転載